Column

東邦など名古屋地区の私学4強が分散、豊川、西尾東などがどこまで抵抗示すか

2018.09.17

 この夏は東西に分かれて、甲子園へ2校を送り込んだ愛知県。
 新チームがスタートして、今年の秋もやはり名古屋市内勢がリードしていくことは間違いないだろう。

二次予選を1位通過の名電と本命視されている東邦が中心

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二季連続の甲子園を狙う愛工大名電

 西愛知代表だった愛工大名電は、帰名後の名古屋地区二次予選の決勝トーナメントを1位で通過してシード校として県大会に挑むこととなった。初戦の相手は豊橋中央名経大高蔵の勝者だ。攻撃力としては旧チームでも中軸を任されていた稲生賢二君と牛島凛人君が残ったのが大きいであろう。これに実績のある堀内祐我君もいる。投手陣は左右のエースは抜けたが、西愛知大会を経験している森春輝などが中心となりそうだ。
 このゾーンには星城中部大春日丘大成といった中堅私学が目白押しだ。さらには誠信豊田大谷、このところ躍進が著しい日本福祉大附などに加えて、公立勢では豊田西大府が初戦で当たるのも注目だ。今春、中京大中京をコールドで下した西春も控えている。

 名古屋地区二次予選で2位となったのは享栄だった。夏の西愛知大会は準決勝で愛工大名電に屈した。この夏でベテラン柴垣旭延監督が勇退して、新チームからは、かつて中京大中京で全国制覇も果たしている大藤敏行監督が指揮を執っている。双子の三島兄弟のバッテリーを中心として、きっちりとした手堅い野球と、機動力などを生かした攻撃野球とがどのように融合していくのか。県大会でどんな戦いを示していくのか注目される。
 東愛知大会準優勝で、一次予選でも西三河地区を1位通過した西尾東とベスト8決めの3回戦で当たれば好カードとなるが、夏の東愛知代表校[team]愛産大三河[/team]もいる。愛産大三河は上田希由翔君と櫻井仁生君の中軸が残っているのが心強い。準々決勝では愛知啓成至学館と争うことになりそうだ。

 今大会も本命視されている東邦は名古屋地区の3位で、知多地区1位の半田のゾーンに入った。半田は初戦で竹前俊宏前監督の率いる岡崎工と夏に敗れた刈谷の勝者と当るが、どちらと当っても見逃せない試合となる。勝てば栄徳桜丘といった、甲子園に手の届きそうな私学有力校と当りそうだ。夏は桜丘に勝っているだけに、対戦すれば面白い試合が期待できる。東邦は準々決勝までは順当に行きそうだが、このゾーンでは初戦で日進西、次は東三河2位の国府と当る愛知がどこまで抵抗できるかが注目だ。

 東三河地区1位の豊川と西三河地区2位の科学技術高豊田のゾーンは名古屋地区は二次トーナメント2回戦で享栄に敗れ第5代表となった中京大中京が1回戦からの登場となる。初戦の江南に勝てば次が科技高豊田だ。中京大中京板倉駆君と関岡隼也君のバッテリーはじめ伊賀功晟君ら個々のポテンシャルは高い。
 夏から大幅にメンバーが入れ替わった豊川だが、東三河を1位で通過したのはさすがだ。東愛知大会ベスト4メンバーから残った執頭剛琉君が中心となってチームを引っ張ってくことになるだろう。準々決勝で当たりそうな愛産大工も夏はオール3年生で戦ておりメンバーは一新されたが、名古屋地区二次トーナメントでベスト4まで進出している。

 伝統の私学4強が分散された組み合わせになったが、その一角をどこが崩して上位に進出してくるのかというところも見どころとなりそうだ。

(文=手束 仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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