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【8日目見所】星稜vs済美、浦和学院vs仙台育英など名門同士の対決に注目!

2018.08.12

【8日目見所】星稜vs済美、浦和学院vs仙台育英など名門同士の対決に注目! | 高校野球ドットコム
渡邉勇太朗(浦和学院)

 8月12日、第100回全国高等学校野球選手権記念大会8日目。この試合で、56代表校がすべて登場する。星稜vs済美浦和学院vs仙台育英など好カード満載な8日目4試合の見どころを紹介したい。


第1試合 二松学舎大附(東東京)vs広島広陵(広島)

  二松学舎大附は上位下位まで切れ目のない打線で畳みかける強打がストロングポイント。1番打者ながら本塁打を打てるパワーを秘める右田稜真、打率.458の平間陸斗、スーパー1年生・山田将義、打率.778の野村昇太郎など好打者がずらり。投手陣では小刻みな継投策でつなぐ。投手陣のキーマンは最速145キロ右腕・岸川海。12イニングを投げて、13奪三振、1失点。岸川をどのタイミングでつなぐのかがポイントとなりそうだ。

 対する広島広陵も投手起用を見ると、二松学舎附とよく似たチームカラーを持っている。最速149キロ右腕・森 悠佑、速球派右腕・河野 佳石原 勇輝森勝哉と力量が高い投手を4人揃える。大会を見ると、エースの森悠以外の投手が先発として試合を作り、森悠はリリーフとして登板し、球威ある直球とキレのあるスライダーでしのぐパターンとなっている。そのパターンが作れれば理想的だろう。打線もスーパースターとなった中村奨成のような選手はいないが、昨夏の選手権準優勝メンバー・高田 桐利、3本塁打を放った河端 利晶、好打者・松本 知樹と打者陣のレベルも高い。

 攻撃力の高さは互角。ただ投手力の総合力では広島広陵に分がある。しかし広陵が有利とは限らない。

 二松学舎大附は平間、野村などの高打率を残した選手、広島広陵は高田、吉岡、河端の主力打者がカギとなる。どちらが投手陣を攻略するのか。初回からの攻防に注目だ。

第2試合 浦和学院(南埼玉)vs仙台育英(宮城)

 56校最後の登場となるこのカードは5年前に実現し、仙台育英が勝利した。浦和学院は149キロ右腕・渡邉勇太朗、背番号1の河北将太、1年生の美又王寿も140キロを超える速球派右腕だ。また左腕・永島 竜弥も変化球の精度が高い実戦派だ。打線は4番・蛭間拓哉、打率.692の矢野 壱成と左の好打者をずらりとと揃える。

 対する仙台育英は14盗塁を記録した機動力の高さに注目。チームトップの5盗塁を記録した熊谷 大貴は打率.529、3盗塁の菊地太志がキーマンとなる。チーム首位打者となる打率.591を残した沢田佑は宮城大会で8番。下位打線になっても気が抜けない打線で、足も使ってプレッシャーをかけていきたい。投手陣は140キロ台の速球を投げ込む田中星流が粘り強く投げられるか。

 どちらも総合力は高いが、投手力が高い浦和学院が有利かもしれない。左打者が多い浦和学院にとって、右投手しかベンチ入りしていない仙台育英はやりやすい相手かもしれない。だが、仙台育英はこれまでの実績を見れば、簡単に倒れない折れないチーム。

 仙台育英の勝利のカギは、試合序盤の戦い方になるだろう。

第3試合 星稜(石川)vs済美(愛媛)

 星稜の初戦の戦いを振り返ると、攻守ともに圧倒したが、済美も強力なチームだ。済美のエース・山口直哉に苦しむ可能性が高いからだ。山口は、最速144キロのストレートに加え、130キロ前後の高速スライダーを武器にする本格派。星稜でもこれほどの好投手の経験は少ない。各打者の打撃動作を見ると、山口を攻略するのは難しい。

 ただ試合を優位に持っていくためにはエース・奥川恭伸のピッチングが不可欠。最速150キロのストレートを軸に受け身にならず優位にピッチングすることができるか。

 対する済美は4安打を放った1番・矢野巧一郎が攻撃の起点となる。矢野や4番池内優一などの主力打者が奥川クラスの速球にも振り負けない活躍を見せることができるか。両チームの力量を勘案して、3~4点の勝負になるのではないだろうか。

第4試合 慶應(北神奈川)vs高知商(高知)

 初戦サヨナラ勝ちした慶應と壮絶な打撃戦を制した高知商の対決。高知商の打撃を見ると、直球に強い。山梨学院のエース・垣越建伸のストレートをモノ見事にとらえていた。慶應バッテリーは、直球は通用しないとみて、変化球攻めに転じるだろう。生井 惇己、そして変化球が良い渡部 淳一の投球も鍵となる。

 慶応打線はサヨナラ打を放った宮尾 将、スラッガー・廣瀬 隆太を中心に打力が高い選手が揃っており、打ち合いになれば負けない力を持っている。右の技巧派・北代 真二郎の巧みな投球術を上回る打撃を見せることができるか。

 6点~8点ぐらいの打撃戦となるのではないだろうか。試合状況に応じたシフト・継投策に注目したい。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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