二松学舎大附vs成立学園
二松学舎大附が5回戦進出！両チームともに逸材野手が登場！
2回表、一死一、三塁から7番荻野の右前適時打で1点を先制。さらに8番平沼虎樹（1年）の二ゴロの間に2点目を入れた。しかし2回裏、二松学舎大附は6番野村の2ラン本塁打で同点に追いつき、さらに7番山田の本塁打で3点目。3回裏にも野村の適時二塁打で4対2と点差を広げた。
さらに5回裏には一死二塁から6番野村が3打点目となる適時打を放ち、野村は盗塁を仕掛け、7番山田の適時打で6対2とした。6回表に1点を返されたが二松学舎大附が3番手の右腕・岸川海（3年）が最速142キロのストレートを武器に3イニングを投げ、5奪三振の好投を見せ、二松学舎大附が5回戦進出を決めた。
試合は二松学舎大附が勝利したが、両チームとも伝統的に野手が育ちやすい。そういう意味で見ごたえがあった。ここで注目選手を紹介したい。
＜二松学舎大附＞
山田将義（1年）…侍ジャパンU-12代表、侍ジャパンU-15代表を経験している捕手ということもあって、落ち着いてリードができている。スローイングタイム2.00秒を計測し、さらにコントロールも高く、1年生捕手として力量はかなり高い。打撃はミート型で、インサイドアウトが効いたスイングでライナー性の打球を飛ばす。第1打席で高めの直球をとらえて弾丸ライナーで、右翼席の最前列に落ちる本塁打を放った。
右田 稜真（2年）…50メートル6秒1を誇る大型外野手。とらえたときの打球は非常に速いが、まだ外回りのスイングで、体がボールを追いかける形となっており、軸がぶれやすい形となっている。
平間陸斗（3年）…下級生の時から活躍を見せている三塁手。高校通算本塁打も40本を超えるが、コンタクト能力も高い打者である。ただ打つ形はこの日はどうも悪い。軸がぶれて、全体的にキレイに腰が回転できず、スイング軌道も外回り気味で、2安打を打っているとはいえ、レベルが高い投手と対峙したとき、その形で打てるか不安を覚える。5回戦までしっかりと立て直すことができるか注目したい。
野村昇太郎（2年）…3安打2打点の活躍を見せた左の好打者。ボールをとらえるセンスの高さは見事で、最短距離でどのコースにもしっかりと叩くことができる。広角に打てる打撃技術もあり、また脚力も高く、盗塁技術や無駄なターンが少ない走塁技術も良い左打者だ。
岸川海…下級生の時から140キロ台のストレートを投げ込んでいた速球派右腕だが、公式戦の内容はこの試合が一番良かった。コンパクトなテークバックから振り下ろす速球は常時133キロ～140キロ（最速142キロ）で、140キロ以上は7球計測。アベレージのスピードは間違いなく上がり、外角ギリギリへ決めるコマンドも向上を見せた。さらに120キロ中盤のスライダーの切れも素晴らしく、ドラフト候補とまではいかなくても、強豪大学で続けられるだけの下地は見せてくれた。
＜成立学園＞
和田銀露、平沼虎樹の1年生二遊間コンビは注目だ。シートノックから上級生と変わりない動きを見せた。二塁・和田は全体的の動きはそつがなく、犠打もしっかりとこなす選手。平沼は球足が速い打球を放ち、遊撃守備もスピード感がある。秋以降も注目したい選手だ。
（レポート＝河嶋宗一）
