試合レポート

市原中央vs土気

2018.07.13

市原中央は1年生バッテリーが活躍!打線も奮起し、6回コールド勝ち

 市原中央。1983年に創立された私立校だが、学校法人の君津学園は木更津総合を運営しており、木更津総合市原中央は姉妹校である。市原中央の滝田監督はかつて木更津総合でコーチをしていた経験がある。その滝田監督の下、県大会ベスト8入りするなど着実に力をつけてきた。今では部員78人(女子4人)の大所帯となった。

 そんな大事な初戦のマウンドに登ったのは1年生右腕の入口翔太だった。そしてその入口とバッテリーを組んだ小関寛太も1年生である。

 だが、いきなり二死満塁から土気の4番で主将の工藤が高めに入った直球を見逃さず、左中間を破る適時二塁打で1点を先制する。

 だが市原中央はすぐに反撃。一死二、三塁のチャンスから4番安西青空(3年)が左前適時打を放ち、2点を先制。さらに一死二、三塁から敵失で1点を追加し、3対1。

 入口は2回、3回を無失点。まだ球速は125キロ前後ながらも素質の高さは素晴らしい右腕だった。手足が長く、細身の投手体系。左足を巻き込むように足を上げていき、そこから内回りのテークバックからトップを作り、一気に体を旋回させて腕を振る。腕の振りは鋭く、125キロ前後ながら、回転数は高く、手元でも失速しないストレートだ。そのため、体感速度は130キロぐらいに見える。

 これから体づくりをして、順調に球速が伸びていけば、もっと注目される投手になるだろう。

 打線も3回まで5対1とリードを広げ、4回表からマウンドに登った伊藤駿介も1年生。入口とは対照的に、伊藤はがっしり体型の大型左腕。ストレートの球速は120キロ~125キロ前後も、球質は重く、威力がある。さらに120キロ近い縦横のスライダーの切れも良く、1年生ながらベンチ入りするのもうなづける投手であった。この1年生投手コンビが体の成長と比例するとともに球速も伸びれば、千葉県でも好投手として注目される可能性は十二分に持っている。

 その2人をリードする小関も1年生とは思えないぐらい落ち着いた立ち居振る舞いをする選手だ。リードを見ても打順が一回りした後は、一人ひとりの打者の特徴をつかんで、スイングがしにくいコースへ要求し打ち取る。キャッチングも良く、投手へ声かけする気遣いもうまい。スローイングタイムも2.0秒を計測し、スローイングのコントロールも悪くなく、高校生レベルに順応した捕手である。そして打っては1安打。打球も鋭く、攻守ともにレベルが高い。1年生ながら背番号2を獲得した理由がうかがえた。

 試合は6回裏に、無死二塁から3番瀬川の右前適時打で1点を追加。その後、一死一、三塁から6番小関の中前適時打で1点を追加。7番豊田の左前安打で2点を追加し、9対1と点差を広げ、二死二塁から代打・野崎の左前安打で1点を追加し、なおも二死二塁から1番羽田の左前安打を左翼手が後逸。この間に二塁走者が生還。11対1で市原中央が7回コールド勝ちを決めた。

 1年生たちの活躍で夏1勝をつかんだ市原中央。次は2,3年生が中心となって活躍し、勝利をつかみたい。

(文=河嶋宗一)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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