Column

好カード続出!?1つも気が抜けない今年の西東京を抜け出すのは?

2018.06.29

早実、早大学院、八王子、佼成学園が4回戦までに激突


早稲田実業と東海大菅生

 組み合わせが決まると、驚きの結果が待っていた。
 春季大会ベスト4の早稲田実は、トーナメント表の左下にシードされたが、初戦の対戦が有力なのが、早大学院になった。昨夏も経験している佐竹 洋政投手を擁し、同じ早稲田大系として早稲田実に強い対抗意識を持つ早大学院は、初戦としては楽な相手ではない。

 この試合に勝つと、八王子佼成学園の勝者との対戦になる。ともにノーシードながら、越村周高橋優介初鹿野滉平など昨夏の経験者を多く残す2年前の優勝校・八王子は、攻撃の層が厚い。佼成学園は秋季都大会の準優勝チームで、左の中村陸人、右の青木翼を中心に攻守のバランスが良く、優勝候補にも挙げられる。

 早稲田実雪山幹太を中心に投手陣は充実しており、清宮幸太郎(現日本ハム)がいた昨年ほどのスケール感はないものの、野村大樹を中心に打線に切れ目がなく、安定感ではむしろ昨年を上回る。

 早稲田実にノーシードの強豪3校が集まったこのブロックは、異例の激戦区だ。

 勝者は順当なら、5回戦は勝利するだろうが、準々決勝で対戦する可能性が高いのは、昨年優勝の東海大菅生だ。

 東海大菅生は強打の片山昂星に、守備に走塁に忍者のような素早い動きをみせる田中幹也とタレントが揃っている。早稲田実と対戦すれば、昨年の決勝戦の再現となる。ただし東海大菅生は、5回戦で順当なら日大二桜美林の勝者と対戦しなければならない。

 その東海大菅生にも激しい競争を勝ち抜いて抜擢された1年生の杉崎成がいる。杉崎は愛知西リトルシニアから評判だったスラッガー。中学では通算27本塁打を記録し、早くも4番打者として期待されている。

 桜美林は秋季都大会で、久富大輔小池礼亜のリレーで二松学舎大付を破るなど、守りが充実している。桜美林は、初戦で秋8強の明星との対戦が予想される。明星石井南果投手が成長。坂本凌太郎を中心とした打線には粘りがあり、初戦の相手としては手強い。

 東海大菅生日大二とこの春対戦したのをはじめ、夏は3年連続で対戦し、いずれも東海大菅生が勝っているものの苦戦しており、この夏も対戦すれば、因縁の対決となる。


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[page_break:王者・日大三に挑む西東京の強豪たち]

王者・日大三に挑む西東京の強豪たち


シード校 創価・日大三・国士館

  秋春の都大会を制し、春季関東大会も準優勝した日大三は、中村奎太井上広輝の投手陣に、この春、河村唯人や長身2年生の廣澤優が加わり充実。守備は主将の日置航を中心にまとまり、金子凌日置航大塚晃平らを有する打線は、控え選手も含めてスキがなく、優勝の最有力候補だ。組み合わせも、準々決勝までに国学院久我山、都立日野都立片倉などが同じブロックに入っているものの、優位な立場にいることは確かだ。

 日大三のブロックでは、左腕の好投手・佐々木健太を擁し、打線もフルスイングの駒大高と攻守にまとまっている都立総合工科との対戦は、初戦屈指の好カード。勝者は順当なら5回戦で日大三と対戦するが、前のチームでは駒大高が秋に、総合工科が夏に日大三を苦しめている。

 エースで4番の菊地郁也を中心に、経験者が多い春4強の創価には1年の河合 圭聖がレギュラー候補に挙がってきている。その創価は、初戦で聖パウロ学園との対戦が予想される。創価にすれば、勝俣秀仁監督の下、年々力をつけている聖パウロ学園は、簡単な相手ではない。

 創価は初戦に勝てば4回戦は世田谷学園、5回戦は都立昭和、準々決勝では明大中野八王子日大鶴ヶ丘との対戦が予想される。日大鶴ヶ丘には、150キロ近い速球を投げプロ注目の勝又温史がいる。

 このブロックでは創価がややリードしているものの、気の抜けない戦いが続くことになる。
 国士舘は初戦の相手は東大和南か。東大和南には春の1次予選で奪三振22を記録した左腕の吉岡桃汰がいる。国士舘には、石井崚太井田尚吾草薙柊太の左腕3本柱がいる。実力的には国士舘がリードしているのは確かだが、評判の左腕同士の投げ合いが注目される。

 その国士舘には注目の1年生・黒澤孟朗がいる。木更津総合戦では代打として登場し、レフトへ大きな犠飛を放った。パワフルなスイングは上級生に負けていない。

 三井一樹投手を中心にまとまりのある都立東大和は、油断はできないものの、対戦相手には比較的恵まれている。
 チームの実績や戦力などから、日大三が優勝候補の筆頭。国士舘早稲田実創価東海大菅生佼成学園が続き、日大鶴ヶ丘八王子などもダークホース的な存在になっている。

 トーナメント表を左右2分割にすると、左側のブロックに、日大三早稲田実東海大菅生佼成学園八王子は入り、左側をさらに4分割にすると早稲田実佼成学園八王子が入るといったように、強豪が一方に偏っている。

 本命不在で混戦模様の東東京に比べると、西東京は強豪校の存在が比較的はっきりとしているが、この組み合わせが思わぬ伏兵を生む可能性があり、戦いが注目される。

文=大島裕史


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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