試合レポート

金沢vs横浜隼人

2018.04.16

最後はスクイズ!市立金沢が接戦を制し、公立校唯一のベスト8!

金沢vs横浜隼人 | 高校野球ドットコム
決勝スクイズを決める小島(金沢)

 3回戦で星槎国際湘南を破った市立金沢の勢いが止まらない。4回戦でも強豪・横浜隼人に屈することなく、土壇場で粘り強さを発揮した。

 初回を無失点で切り抜けた市立金沢だが、2回表、二死から横浜隼人の7番鎌田一希(3年)の適時打を浴び、1点先制を許す。横浜隼人は先制点から一気に勢いを挙げて得点を加点するチームだが、市立金沢の先発・田中翔也(3年)が踏ん張り、追加点を与えない。田中翔は120キロ~120キロ後半の速球を投げ込む右投手で、決して球速は速くないのだが、低めに集めることはできて、微妙なゾーンで出し入れできる制球力が魅力。芯を外すピッチングで、次々とゴロとフライに打ち取っていく。市立金沢は守備も素晴らしかった。4回表には横浜隼人の8番高橋が放ったレフトへ痛烈な打球をレフト・中西 亮太がダイビングキャッチするなど、土壇場での球際の強さとポジションニングの上手さが光り、先発の田中翔を盛り立てていた。

 そして打線は横浜隼人の先発・青山美夏人に食い下がる。4回裏、市立金沢は7番中西が三塁打を放ちチャンスを作ると、8番田中翔の三ゴロをエラーし、敵失で同点に追いつく。

 5回まで1対1で折り返し、迎えた6回表、横浜隼人の6番百合野稀平の犠飛で勝ち越しを許してしまうが、市立金沢は7回裏、1番小島優太朗が左翼線を破る二塁打を放ち、2番渡邊祐輔(3年)の犠打で一死三塁のチャンス。そして3番で主将の堀井翼(3年)がストレートをとらえ中前適時打で追いつく。ここで横浜隼人の先発・青山が降板。2番手に左腕の野口祐真(3年)が登板する。

 野口に抑えられ勝ち越し点を奪うことができなかったが、3番手・小石川遼音(3年)が襲い掛かる。小石川は横浜隼人の投手陣の中で最も力のあるストレートを投げる速球投手。恵まれた体格から投げ込むストレートは常時130キロ後半。最速は143キロと、今年の神奈川の右投手では最も球威がある投手だ。しかし小石川に対しても市立金沢は鍛えられた打力でチャンスを作る。7番中西が右前安打を放ち、8番田中翔が犠打を送り、9番大島の犠打で一死三塁のチャンス。ここで1番小島がスクイズを決め、勝ち越しに成功。

 そして9回表、マウンドに登ったエース田中翔は二死満塁のピンチを招く。しかし2番河野を左飛に打ち取り、試合終了。市立金沢が公立校で唯一のベスト8入りを果たした。

 市立金沢は攻守に精度が高いチーム。140キロ越えの投手を2人もそろえる横浜隼人投手陣から11安打。守備も球際に強く、つかんでは簡単に離さない守備で簡単に失点を与えない。ここまで強豪私学2校を破ったのもうなづける内容を見せた。次は強打の鎌倉学園。この試合でも土壇場での粘り強さを発揮することができるのか、注目をしていきたい。

(文=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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