Interview

峯 圭汰(創成館)「ノーステップ打法で、好投手を撃破!神宮枠を絶対に持ち帰りたい」

2017.11.13

 公式戦無敗を目指す大阪桐蔭を破ったのは初出場の創成館だった。全国でもトップレベルの投手陣を誇る大阪桐蔭に対し、しっかりと攻略。初の決勝進出を果たした。今回は3安打を打ち、守備範囲の広い中堅守備を誇る峯 圭汰主将に話を聞き、大阪桐蔭投手陣の攻略を聞いてみた。

ノーステップ打法で大事なのは下半身の意識

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峯 圭汰(創成館)

 創成館はある決まり事がある。それは、2ストライクになればノーステップ打法で打ちに行くことだ。これは今の2年生の入学前からやっていた戦法だった。実は峯自体、中学時代からやっていた打法で戸惑いはなかった。ノーステップ打法のメリットは?
「やはり低めのボール球の見極めができることですね。また速い球にも対応することができます」
140キロを超える投手が多く揃う大阪桐蔭投手陣。創成館は試合展開に応じて2ストライク前からノーステップで打つことを決めた。2回まで無得点だったが3回表、「柿木投手のボールが速かったので、僕は一打席目、すり足で打っていたですけど、振り遅れてしまったので、チーム全員でノーステップにすることを決めました」
こういう戦法は九州大会でもやっている。準々決勝の沖縄尚学戦で、最速145キロ左腕・知念大成に対して、試合開始からノーステップ打法を敢行し、見事に攻略をしている。その徹底力は大きく生きた。すると3回表、一気に打線がつながる。1点を返し、一死一、三塁のチャンスの場面で打席に立った峯は甘く入った直球を見逃すことなくボールをとらえ、中前適時打で1点を追加する。
「先発の柿木君はボールは速かったですし、タイミングがとりにくい投手ですけど、なんとか打てました」
この2点を機に、勢いに乗った創成館。さらに、5回表、峯は大型左腕・横川凱から二塁打を打ち、追加点のきっかけを作ると、6対3のまま迎えた9回表、148キロ右腕・根尾昂に対し、ストレートをとらえて右中間を破る二塁打。根尾の印象について、「今まで対戦した投手の中では一番速いストレートを投げる投手でした」といいつつも、二塁打。さらに「芯を外してしまったので悔しかったです」というほど。峯はしっかりと大阪桐蔭に対しても名前負けすることなく、対することができていたといえる。
 追い込まれてからノーステップにするチームといえば秀岳館が有名だが、2ストライクになる前から、徹底してノーステップするチームもそうそうない。さらにノーステップでも、強い打球を打てている。その秘訣は何かと聞くと、下半身の意識とトレーニングだった。
「やはり大事なのは重心を下げて下半身をうまく使えて踏ん張れるように意識すること。そして強い打球を打てるように筋力が大事なので、ウエイトトレーニングや、スクワットをして筋力を強化しています」
こうして決勝戦まで勝ち上がった創成館。峯は「グラウンドにはずっと全国優勝を掲げてやってきたので、それが近づいているので、絶対にとりたい」と意気込む。大阪桐蔭に勝利したとはいえ、「ミスが多く、自分たちの身上である守備をしっかりして、創成館らしい野球をしていきたい」
九州地区代表の優勝は2013年の沖縄尚学以来。その沖縄尚学の優勝によってもたされた明治神宮枠で2014年春選抜に出場した。優勝すれば、ベスト8で勝利した沖縄尚学にもたされるかもしれない。創成館にとってはある意味恩返しの大会でもある。決勝は明徳義塾。緻密さを極め、さらにこの世代屈指のサイドハンド・市川悠太相手にも創成館野球を発揮する。

(文・河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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