西条vs済美
西条「勝機一瞬」逃さず4年ぶりに四国の舞台へ!
「勝機一瞬」。高校野球のみならず、勝負の世界における原理原則。四国大会出場をかけた大一番となる秋季愛媛県大会準決勝第1試合ではそれをつかんだ者が勝利し、つかみきれなかった側が一敗地に塗れた。
「勝機一瞬」をつかんだのは西条。1回裏二死から四球と安打でつかんだ一死一・二塁から東予地区予選から準々決勝までの4試合で16打数7安打4打点と打棒好調な5番・清木 克洋(2年・投手・左投左打・175センチ70キロ・新居浜市立大生院中出身)が一塁強襲安打。その瞬間、二走の3番・川又 智希(1年・遊撃手・右投右打・163センチ60キロ・西条リトルシニア出身)と、三塁コーチャー・横井 新(1年・内野手・右投右打・173センチ60キロ・西条市立西条西中出身)の意思は完全に一致していた。
ホームへの突進を指示する横井。躊躇なくホームへと向かう川又。バックアップした済美二塁手の送球はそれ、「勢いで勝ち上がった」(菅 哲也監督)流れを大切にするがゆえの思い切った判断が清木の適時打。同時に西条の先制点を呼び込んだ。
西条・清木の投球も彼らの勢いを加速させる要素となる。「カウントによってボールの切り方を変えて、スピードと変化量を変えている」120キロ台と110キロ台、2種類のスライダーが低めに決まり始めると、中予地区予選から準々決勝までの4試合で36安打・打率.327をマークしていた済美打線は、焦りが焦りを呼ぶ悪循環に。
7回裏まではわずか1安打。8回裏にようやく一死から1番・政吉 完哉(2年・中堅手・右投右打・167センチ62キロ・奈良葛城ボーイズ<奈良>出身)の左前打・二盗に、2番・矢野 功一郎(2年・遊撃手・右投左打・171センチ65キロ・西条少年野球団<現:西条ボーイズ>出身)が中前打で続き1点を返したものの、サインミスもあって同点はならず。これで試合の趨勢はほぼ決した。
結局、8回表にも8奪三振と力投を続けた済美・山口 直哉(2年・右投左打・169センチ65キロ・南あわじ市立三原中<兵庫>出身)に対し、2番・秋山 怜央(1年・二塁手・右投左打・165センチ56キロ・新居浜ボーイズ出身)が初球を左翼線に運ぶ適時打を放った西条は、清木の125球4安打3四死球6奪三振完投で済美に勝利。4年ぶりの決勝戦進出を決め、今年は9年前に秋山 拓巳(現:阪神タイガース)が投打に渡って活躍した舞台。高知県で開催される秋季四国大会出場を決めた。
(レポート=寺下 友徳)
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