試合レポート

新城vs新羽

2017.07.09

逆転に次ぐ逆転!新城が延長10回ルーズヴェルトゲーム制す!

 [stadium]サーティーフォー保土ヶ谷球場[/stadium]では1回戦の新羽新城の一戦が行われ、大熱戦の末新城がルーズヴェルトゲームを制して2回戦に進出を決めた。

 先に主導権を握ったのは後攻の新羽だった。2回裏にラストバッター・杉山 忠績(1年)が左中間への適時二塁打を放って1点を先制。新羽の先発・矢島 光(2年)は3回まで新城打線を無得点に抑え込む好投を見せる。

 4回表、1点を追う新城は4番・鈴木 敦(3年)が中前打で出塁すると、すかさず盗塁を決めチャンスメイク。その後内野ゴロで三塁まで進むと、7番・小笠原 和紀(3年)の右前打で同点に追いつく。すると裏の守りからエースの大本 海(2年)がマウンドに上がり、三者凡退に抑える好リリーフを見せる。

 好投の矢島を援護したい新羽は5回裏、安打の鈴木 裕二を一塁に置くと、内野ゴロで併殺を狙った新城の送球エラーの間に一気に本塁に還り勝ち越しに成功。さらに二死二、三塁とすると6番・渥美 雅也の中越適時三塁打で2点を加えて3点リードとする。

 またしてもリードを許す展開となった新城は6回、安打と死球でチャンスを作ると、中久喜 優太が8番打者とは思えないような豪快な打撃で左中間を破り、2点を返した。さらに7回には満塁から押し出し四球で同点に追いつくと、新城スタンドも俄然イケイケムードとなる。

 そんな新城スタンドを黙らせたのは新羽の4番・熊谷 晟(3年)だ。一死二塁から大本の投球を豪快に振りぬくと、打球は右翼席に突き刺さる大会第8号の2点本塁打となった。熊谷の一発で新羽が勝ち越しに成功。

 しかしまだまだ試合は終わらない。8回に新城の主将・川村 涼真(3年)の適時打で1点を返す。さらに土壇場の9回、先頭の7番・俵 竜雅(2年)が三塁打で出塁すると、一死後、7番・小笠原の内野ゴロで本塁クロスプレイはセーフ!新城が同点に追いついた。さらに2番・片岡 遼平(2年)の適時打で1点を勝ち越し、新城が試合をひっくり返した。

 なんとか追いつきたい新羽は9回裏、外野フライ2つで二死と追い込まれる。しかしまだまだ諦めない新羽は6番・渥美が左越二塁打で出塁すると、9回までマウンドを守り、150球以上を投げ抜いてきた矢島が起死回生の適時二塁打を放ち同点に追いつく。絶体絶命のピンチから新羽が息を吹き返し、試合は延長戦に突入した。


 10回表、新羽のマウンドにはそれまで中堅を守っていた鈴木が上がる。すると先頭の4番・鈴木がこの日4安打目となる中前打で出塁し、すかさず盗塁を決めて絶好のチャンスを演出。すると6番・山中 統真(3年)がこの日初となる中前適時打を放って新城が勝ち越しに成功。

 10回裏、新城は主将の川村が登板。二死から四球を許したものの、最後は新羽の4番で主将の熊谷を三振に打ち取りゲームセット。逆転に次ぐ逆転で新城が接戦をモノにした。

 しっかりと振り抜くスイングで強い打球を放つ打撃に、走者が出るとバントをせずに積極的に盗塁を狙う機動力で打ち勝つスタイルの新城。対して、走者が出ると手堅く送り、得点を重ねるスタイルの新羽。ともに持ち味を存分に活かした試合展開となった。

 また、両チームとも背番号1を背負うのは2年生投手だ。大柄な体格から小さいテイクバックで力強い直球を投げ込む新城・大本。細身ながらしなやかなスリークオーターから内外角を丁寧に突く新羽の矢島。ともにこれからが楽しみな投手だ。

 1回戦からこのような試合が繰り広げられるところに、改めて全国一の激戦区と言われる神奈川県のレベルの高さを感じた試合だった。

 接戦を制した新城は、16日に[stadium]バッティングパレス相石スタジアムひらつか[/stadium]で光明相模原と2回戦を戦う。

(記事=林 龍也

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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