試合レポート

都立江戸川vs目白研心

2017.07.12

都立江戸川、7回の猛攻で目白研心に逆転勝利

 都立江戸川にとって[stadium]江戸川区球場[/stadium]は、まさに地元。一方目白研心は、元は女子校とあって、スタンドには大勢のチアガールが応援し、球場は華やかな雰囲気に包まれた。

 1回表、都立江戸川は2安打、1四球で一死満塁のチャンスを作りながら、得点できない。
その裏、目白研心は、1番・杉本宗太朗が粘って四球で出ると、3番・守安智哉はレフトフェンスに当たる二塁打を放ち、あっさり先制する。

 都立江戸川の先発・伊藤曉彦は、もともと球威のある投手であったが、腰を痛め、春季都大会は登板していない。その影響なのか、初戦の緊張のためか、どうもピリッとしない。
 2回裏には、二死二塁から9番・吉井啓志の打球が遊撃手のグラブを弾く間に、二塁走者が生還。さらに吉井が二盗して、1番・杉本が左前安打で還すという、効率のよい攻めで目白研心がリードを3点に広げる。

 3回裏、目白研心は、この回先頭の3番・守安に四球を出したところで、伊藤は降板。左腕の遠田大樹が登板した。守安は内野ゴロで二塁に進み、6番、この試合先発登板の入江悠太の二ゴロに、都立江戸川の二塁手のバウンドが合わず右前安打になる間に、守安は生還した。

 3回を終わって目白研心が4対0でリード。投げては、主将でもある入江が変化球で低めを丁寧に突き、都立江戸川打線を抑える。
5回終了後のグラウンド整備の後、都立江戸川の反撃が始まる。まず6回表二死一塁から8番・若林 暖がレフトオーバーの二塁打を放ち、都立江戸川が1点を返す。

 7回表には、都立江戸川の猛攻が始まる。一死後2番・佐藤大河がレフトへの本塁打を放つと、4番の曽我優大の代打・清水栄佑、5番・堤 勇太の連続安打の後、6番、主将の渡辺健人がセンターオーバーの三塁打を放ち、2人が還り同点。7番・高木 惇も初球を左中間に運び、都立江戸川が瞬く間に逆転した。

 さらに8回表には、二死一、三塁から、前の回に代打で登場した清水が内角低めをうまくすくい上げてライトフェンスを越える3ランを放ち、都立江戸川が勝負を決定付けた。

 3回途中から登板した都立江戸川の二番手・遠田は、縦に落ちる変化球を有効に使い、目白研心打線を抑える。8回裏、目白研心の8番・前場祐人に本塁打を打たれたものの、9回裏は3番手の小倉輝が三者凡退に抑え、都立江戸川が逆転で勝利した。
目白研心は、後半逆転を喫したものの、足を絡めての攻撃は、見応えがあった。戦前、目白商業としての実績があるものの、女子校時代を経て、目白研心として大会に参加したのは、2011年からという新しいチームであるが、確実に力をつけてきている。

 一方、苦しんだものの初戦をものにした都立江戸川は、次は好投手・後藤茂基を擁する城西大城西と対戦する。後藤も初戦は14安打を浴び苦しんだが、果たして、2戦目はどうか。注目の好カードであることは、間違いない。

(文=大島 裕史

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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