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【三重展望】津田学園、いなべ総合、菰野など北部の有力校を徹底紹介!

2017.06.25

 6月27日、第99回三重大会の抽選会が開催される。今回は北から順に有力校を紹介し、最後に注目校を1校紹介させて頂きます。

■トーナメント表

注目のシード校を紹介

岡林 飛翔(菰野)

■【津田学園】第3シード校
 昨年の県大会準優勝校。決勝で敗れたいなべ総合には秋・春と桑員予選で連勝、苦手意識を払拭しハイレベルな桑員地区のトップに立ち次に狙うのは三重県のトップだ。去年からの主力選手・久保田 拓真(捕手)を始め身体能力に優れた選手が多く投手の水谷 翼、一塁手の上下 大地らは将来を嘱望されている。

 派手な大差で勝つよりも僅差で勝ち上がる事が多く、その事からもフィジカルだけではなく精神面でも強いチームだ。

■【いなべ総合学園】昨年度代表校
 昨年の県大会で大活躍した左腕、赤木 聡介が一時は夏を危ぶまれた大きな怪我から140km近くのストレートを投げられるまで復活したのは大きい。赤木抜きで戦った春はエース渡邉 啓五への負担が大きかったがこれで左右のエースとなり投手陣の不安が無くなった。

 攻撃面ではずば抜けた力を持っていた去年のチームと比べると非力なのは否めないが、それでも渡邉 啓五法田 俊都の長打力と尾崎監督に鍛え上げられた精度の高い送りバントや盗塁等は健在でありロースコアゲームに持ち込むといかんなく強さを発揮する。

■【菰野】第2シード校
 個々の選手のスキルの高さでは県で1,2を争う菰野。特に層の厚さは素晴らしい。まず2年春から背番号1を背負う安定感抜群の左腕村上 健真、MAX151キロの岡林 飛翔、MAX145キロで右では一番安心して送り出せる田中 法彦、1年生ながらMAX142キロの岡林 勇希、他にも野手から即リリーフ可能な藤原 脩木谷 光と質・量ともにハイレベルな投手陣は三重県ナンバーワンだ。

 打つ方も核弾頭の森浦 雄大、小技の効く田中 和師から田中 法彦・通算本塁打33本の戸田 将太岡林 飛翔岡林 勇希とどこからでも一発が出て不利な時にでも流れを変えられる打線だ。守備も田中 和師木谷 光のニ遊間を始め堅実な守備を誇る。

■【海星】秋の県大会優勝校
 春先には故障者が多く真の力は発揮できなかったがその故障者も徐々に復帰しこの夏にかける。春の県大会には7、8年ぶりに1年生が2人試合に出場、この夏も複数の1年生のベンチ入りが考えられ復帰した故障者と若い力の台頭で春とは一変した海星が見られると期待。

 投手はやはり秋県大会制覇の原動力となった左腕の大須賀 健祐が大車輪の活躍をしたいが春大は登板回避しただけに本人としては期するものがあるだろう。

 打つ方では攻守の要、主将遊撃手の松下 祐人と長距離砲松岡嗣英が中心となる。

 課題はこの春の久居農林戦や昨夏のいなべ総合戦でも見られた牽制死や走塁ミスが数年前から一向に改善されないことだ。この点が修正されれば元々は実力のある選手が揃ったチームだけに80回大会以来19年ぶりの甲子園出場が現実味を帯びてくる。

■【津商】第4シード校

 3位決定戦で菰野に勝利しシード権をギリギリで確保した。

 94回大会の第4シード松阪も3位決定戦に勝利してシード権を確保し甲子園代表校の座を掴み取ったがその時の松阪の再現なるか。

 3年生右腕池内 瞭馬と2年生左腕服部 恭平、左右のエースをリードする2年生捕手の服部 哲平の3人を中心とした守りは堅く攻守にわたり凡ミスというものが極めて少なく逆に相手のミスにつけ込むのが上手い試合巧者だ。

 総合力では津商甲子園初出場となった一昨年のチームと較べても決して引けを取らず、2度目の甲子園を虎視眈々と狙う。

[page_break:実力校はまだまだいる!]

実力校はまだまだいる!

高橋 祐太(四日市)

 他では、桑名工業も注目。津田学園いなべ総合と同地区で秋春とも県大会を逃しているが県下有数の長距離打者岡本 光を中心とした打線の破壊力はシード校を凌ぐ程で、展開がツボに嵌まればシード校とて油断ならぬ存在。

 四日市は県ナンバーワンの進学校であり21世紀枠校に推薦された文武両道のチーム。実際この春には野球部から東大・京大の超難関校に複数の合格者を出している。エースの大型右腕・高橋 祐太は球の出どころが分かりづらくゆったりとしたモーションから一転、リリース前の腕の振りは速いので、タイミングが取り辛く緩急をつけた頭脳的なピッチングは、打力に自信があり強振して来るチームには特に有効的だ。

 内外野とも守備は堅く声も良く出ていて攻守の切り替えも早く見ていて気落ちの良いチーム。

 四日市南春の地区予選では海星を、県大会では四日市を破った投攻守にバランスの取れた好チーム。

 エースの石田 真也、三塁兼任の神田 龍利の両投手を上手くリードする織田 泰地捕手は2年生からマスクを被り経験豊富であり視野が広くとっさの場合に素早く適確な判断の下せるクレバーな選手で守備の要。

 長らく四日市南を率いて来た加藤前監督の超攻撃的イケイケドンドン野球から、牧野新監督の基で堅実な野球に転換しつつある四南の変貌ぶりが楽しみだ。

[page_break:その他の注目校は?]

その他の注目校は?


四日市商グラウンドに置かれているホワイドボード

 最後に四日市商を紹介したい。全国的な傾向である商業高校の女子寡占化が進む中、四日市商も御多分に漏れず女子生徒が多いが、97.98回大会と2年連続ベスト16と実績を上げている。

 女子マネージャーからパパと慕われる坂倉 智之監督が4年前に就任し、まず始めたのが部員の意識改革、具体的には目標を建て練習後のミーティングや練習試合後にもその目標を実行できているのか?と全員で確認をする。

 その目標は野球だけでなく、普段の学校生活や日常生活でも行おうというもので普段の行動から一般生徒の模範となれるように意識し、そうすれば自ずと周囲から応援されるような人に、チームになるとの想いがチームに浸透している。

 もうひとつ取り組んだのが環境整備、監督就任当初は内野に黒土が入っておらず内外野は石ころだらけで周囲には雑草が生い茂りっている状況だったが、女子マネージャーも一緒になり毎日全員で2時間かけ石拾いや草抜き、少しでもグラウンドの水はけが良くなるようにと端を削り斜面を作る事までやり続ける事で野球部の地道な努力を学校側も認めやがて黒土が入りようやく野球部のグラウンドらしくなった今でも泗商野球部にはモノを大切にする気持ちは先輩達から受け継がれている。

四日市商グラウンド

 さて今年の戦力は、昨夏ベスト16の原動力となった3年生の浦嶌 陽登、2年生の下岡 雅之の両右腕と主将で捕手の川田 重和のバッテリーを中心としたチームであり主将の川田 重和は人間的にも素晴らしくチームを引っ張るには適任者だ。他にも長距離砲の外野手・伊藤 幸一、同じく外野手で2年生の村田 伊織、堅実な守備のショート本田 豪など楽しみな選手が多い。

 県下で商業高校は4校だが他3校の津商松阪商宇治山田商はいずれも今大会の優勝候補であり、四日市商もベスト16の壁を破る事を期待したい。


注目記事
今年も全国各校の熱い想いを紹介!「僕らの熱い夏2017」

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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