Column

週刊せり高校野球『高校野球、ユニフォーム物語』

2017.06.12

 皆さん、こんにちは!『バトルスタディーズ』×高校野球ドットコム「強い者にはワケがあるキャンペーン」公式レポーターの芹 玲那です。

 清宮幸太郎選手(早稲田実業)がついに高校通算100本塁打を達成しましたね!春季大会では新戦力の活躍も光り、夏に向けてますます盛り上がりをみせる高校野球。本当に夏の大会が楽しみで仕方ありません!

 そんな中、私の中で是非とも観たいと思っている対決もあるのです。今回は、第4回でご紹介した“同名校対決”に続き、ちょっとマニアックな高校野球の楽しみ方をご紹介したいと思います!

どっちがどっち?!似ているユニフォーム対決

週刊せり高校野球『高校野球、ユニフォーム物語』 | 高校野球ドットコム

左から智辯和歌山(和歌山)、智辯学園(奈良)

 みなさんは好きな学校のユニフォームはありますか?ユニフォームには漢字、アルファベットなど書体もさまざま、色もさまざま、デザインさまざまです。伝統を感じさせるもの、デザイン性の光るものなど、みなさんそれぞれに魅力を感じるポイントがあると思います。私も試合観戦の時にチェックするのが大きな楽しみのひとつになっています。

 このユニフォームという視点から、私がぜひ観たいと思っている対決は――
それはズバリ“似ているユニフォーム対決”です!!

 私がこの魅力に気付いたきっかけは、2002年第84回全国高校野球選手権大会第11日目。智辯学園智辯和歌山の初めて“兄弟校対決”が実現したあの試合です。

 当初私は11歳で何も分からずにこの試合をTVで観ていましたが、夢中になっていたのを今でも覚えています。
「今のはどっち?!」と分からなくならないよう必死で実況の方の声に耳を澄ませたり、実況の方が離した“ユニフォームの違い”を聞き、左肩の校章と「奈良」「和歌山」の文字を画面に齧り付きながら探してみたりしていました。

 あの頃とは高校野球を観る視点なども大きく変わりましたが、ふと“高校野球を楽しみながらみる”という点でこの試合を思い出すんです。そして、球場で観たらもっと面白いのではないかと――。

 夢中になるからこそ、集中して観るようになると思います。それはよりチームや選手の特徴に気付くことにも繋がり、試合を観るのが楽しくなると思うんです。

 似ているユニフォーム、実は系列校以外でも多くあるんです。例えば、第6回でご紹介した浦和学院のストライプのユニフォーム。これは森監督が日本代表を率いた記念に作られたもので、旧日本代表のユニフォームに似ていますよね。

 宮城県の柴田高校も2013年に旧日本代表ユニフォームをイメージしたものに変えたんです!平塚監督は変えた理由を「甲子園に出ても恥ずかしくない選手を育てたいとやってきて、うまく作れたのがこの3年生たち。新しい流れを作りたかった」と語られたそうです。似ているデザインでもユニフォームを選んだ理由や込められた想いや全く違ったりするのもまた面白いですよね!

[page_break:今一番見たい“似ているユニフォーム対決”]

今一番見たい“似ているユニフォーム対決”

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違いに注目!左から早大学院、早稲田実業のユニフォーム

 ユニフォームの誕生秘話も見つけつつ、全国のこの“似ているユニフォーム対決”を観ていけたらと思っているのですが、中でも今一番観たいと思っているのが「早稲田実業vs早大学院」です!

 同じ西東京地区な両校。ユニフォームもとても似ています。早稲田実業の学校名称は、早稲田大学系属早稲田実業学校。学校設立は1901年。1905年に野球部が創部されました。

 夏の選手権大会には第一回大会から出場しており、春夏通算45回の甲子園出場。王貞治選手を擁した1957年春、斎藤佑樹選手擁した2006年夏と、春夏共に全国制覇も果たしています。また現在、秋季、春季と現在2期連続で東京大会を制しています!

 早大学院の学校名称は、早稲田大学高等学院。1949年の学校設立と同時に、野球部が創部。こちらは男子校です。甲子園へは未出場ですが、2010年に西東京大会でベスト4、2015年はベスト16、昨秋の秋季大会では、準々決勝で日大三に敗戦しましたが、グラウンドの使用時間やスペースが限られている中、確かな強さを築いています。

 さて、この両校。ユニフォームも似ているため、「どんな違いが?」と疑問を持たれている方も多いと思います。簡単に申しますと、早大学院は早稲田大学の付属校、早稲田実業は系属校。学校法人がそれぞれ早稲田大学、早稲田実業学校と違い、共学と男子校という大きな違いもありますね!

 ユニフォームもよく似ていますが、よく見ると違いがあります。見分けるポイントとして、
・胸の「WASEDA」のロゴ
・襟のありなし
です!

 ロゴは文字も少し違いますが、「S」が真ん中にあるのが早稲田実業。配列が左右対称になっているのが早大学院です。また、早大学院のユニフォームには襟がついています。ほんの少しの違いですが、この違いを観戦する中で探していくのもまた楽しいと思いますよ!

 過去4度の対戦歴があり、いずれも早稲田実業が勝利。今年の夏も西東京大会で激突する可能性も十分あるのです!

 なぜ私が観たい試合として選んだかというと、昨秋の両校の試合がとても印象的だったから。特に注目して観て頂きたいポイントが応援スタンドです。観衆を惹きつけるという点で大変盛り上がると思うんです!

 早稲田実業の伝統の応援はチアガールの華やかさもあり、また、早実ファンも多く球場に駆け付けるため、いつもとても盛り上がっていますよね。一方、早大学院は男子校ならではの力強さがあり、応援のカラーは全く違うものになるのではないでしょうか。

 そして、ポイントとして早大学院のユニークな応援!これがいつも観衆の心を惹きつけているのです。

 “早稲田対決”は高校野球の新たな楽しみを見つけ出すきっかけになるかもしれません。もし実現したら是非球場に足を運んでみて下さい!

 今回は“似ているユニフォーム対決の楽しみ”という形でご紹介しましたが、ユニフォームの話は掘り下げていくととても面白いのです。次回はまた違う視点から高校野球のユニフォームにまつわる話をお届けしたいと思います!次回もよろしくお願いします!

(文=芹 玲那

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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