Column

「一人の期間がダメだった自分を成長させた」横芝敬愛高等学校

2017.06.02


約2年間、たった一人で部員を支えていたことも…

 横芝敬愛高等学校は千葉県山武郡横芝光町にある私立高校。野球部のOBには、元メジャーリーガーで現在は中日ドラゴンズのコーチを務める大塚 晶文氏や、元千葉ロッテマリーンズの高木 晃次投手などがいる。

 現在、野球部の部員数は3年生10人、2年生15人、1年生12人の計37人。夏の大会に向け練習に励む選手たちを支えているのは、3年生の髙山 留奈さん、1年生の勝股 優衣さん、佐瀬 華恋さんの3人のマネージャー。3年生の髙山さんの入部当時は、3年生のマネージャーが2人いたが夏に引退。その後現在の1年生が入部するまでは一人で選手たちをサポートしてきた。

 髙山さんがマネージャーになったきっかけは、横芝敬愛のOBである父と、他校で野球部に所属していた兄の存在があった。中学校2年生のとき、野球部に所属していたお兄さんが腕を骨折。怪我の影響で春の大会へ出場することができなかった。

 

「それまでお兄ちゃんとはあまり仲が良くなかったのですが、包帯を巻くのを手伝ったりしているうちに兄とも仲良くなり、高校では野球部のマネージャーとして活動してみようかなと、そこで入部したい気持ちが芽生えました」

 その気持ちを後押ししたのが中学校から仲の良い部員からの一言。その部員から「マネージャーやってみなよ!」と勧められたことがきっかけで、横芝敬愛のマネージャーに入部することを決意した。

[page_break:ある一言でボール渡しが一番楽しい時間に]

(横芝敬愛)

ある一言でボール渡しが一番楽しい時間に

 普段の活動内容は、ノック時の球出しやボール拭き、夏はボトルを各ポジションに持って行ったり、こまめにジャグの交換をする。また、洗濯や食事の準備、合宿の時は選手たちのユニフォームを洗うのもマネージャーの仕事だ。これらのことを一人で行っていた期間について髙山さんは、「一人だったときは部員さんたちが手伝ってくれることも多かったので、一人でも大丈夫でした」と振り返る。「マネージャーが多いと自分一人の仕事量は少なくなると思いますが、それと違って一人だと自分で見つけて仕事ができるので、そういう面では良い経験になったと思います」と、一人でも前向きに活動をし、選手たちをサポートしている。

 日々の活動の中ではボール渡しのときが一番楽しい時間だと話す髙山さん。
「以前、茨城の高校へ練習試合に行ったとき、相手の監督さんからボール渡しがうまいねって褒められたことがありました。それがとても嬉しく、今でも心に残っています。普段、そのようなことは全然言われないので、普段一緒にいない人に言われると、これからも極めようって思えます。だから、ボール渡しの時間は私にとっては一番楽しい時間です」と笑顔で語った。

 その笑顔もまた、髙山さんが活動する上で意識していることの一つ。
「1年生のときに怒られてばっかりだったけど、怒られると悔しい思いが顔に出ちゃうことがありました。そういうときいつも先輩たちから何かあった?って聞かれて、みんな野球を頑張っているのに、自分一人のせいで相手にまで気を遣わせてしまうということに気づきました。それからは顔に出さないように気をつけて、常に笑顔でいることを心がけています」

 最後に、夏へ向けて練習に励む選手たちへ向け、髙山さんからメッセージをいただいた。

「3年生へ 最後の夏は悔いなく、一生懸命頑張ってください!
1、2年生へ 私が引退しても自分たちらしくいてください!」

 横芝敬愛高等学校野球部の皆さん、ありがとうございました!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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