二松学舎大附vs都立総合工科
本塁打3本!長打力で圧倒した二松学舎大附が快勝
先制の本塁打を放った平間(二松学舎大附)
一昨年春と、その前年夏に甲子園出場を果たしている二松学舎大附。近年は、東東京では関東一に対する一番の対抗馬という存在となっている。その二松学舎大附に挑む形となった都立総合工科は、昨秋は一次ブロック予選で都立昭和に惜敗。この春はブロックからの勝ち上がりとなった。
「相手がどんなところであろうと、臆さない気持ちでぶつかっていけば、負けることはない」という信念で、1999(平成11)年夏に、都立城東を甲子園に導いて都立校の指導者たちの意識を変えたと言われた有馬信夫監督。その後に異動した都立保谷でも、都立総合工科でもその指導理念は変わっていない。しかし、この日の試合では、そんな都立総合工科の思いを粉砕するかのように、二松学舎大附のパワーが圧倒した。
二松学舎大附は初回にまず、一死から鳥羽君が中前打で出ると、続く平間君の一打は高々と上がったがそのまま左翼フェンスを越えていく2ランとなった。やや上がり過ぎたかなとも思われた打球だったが、やはりスイングが鋭いのだろう。打球は空中でグーンと伸びていく感じだった。これでまず、都立総合工科の先発大場君の度肝を抜いた。
さらに3回にも、今度はポテン安打で出た平間君を置いて、4番の永井君がライナーで左翼へ2ラン。再び本塁打が飛び出したが、これも素晴らしい打球だった。
そして4回には、一死から9番永野君が安打すると、1番堀川君も左前打。2番鳥羽君の打球は捕手の前で跳ねたがアンツーカーで止まってしまい内野安打という幸運もあって一死満塁。さすがにここで、有馬監督は大場君を諦めて、右サイドの大河内君を送り出した。大河内君は、平間君を三振で取ったものの永井君は左翼フェンス直撃の三塁打で走者一掃。これで、ほぼ試合の行方は決してしまった感もあったが、二松学舎大附は手を緩めることはなかった。
なおも畠山君が中前打で帰して8点目を奪うと、市原勝人監督は保川君の代打として秋広君を送り出した。身長184cm体重88kgというサイズから、パワーの一振りはセンターバックスクリーンに放り込んだ大きな2ランとなった。市原監督の起用に応えた秋広君、十分に存在をアピールした一撃だった。
スコアとしては一方的という印象の都立総合工科だったが、完璧に封じ込まれたというものではなかった。打線も5イニングで6安打を放ち、2回、4回、5回と三塁まで走者を進めていた。しかし、ここという場面では二松学舎大附の市川君が、キレのいいストレートを投げ込んできており、都立総合工科打線はあと一本が出ず、崩しきれなかった。
(取材・写真=手束仁)
注目記事
・2017年度 春季高校野球大会特集