Column

県立大館鳳鳴高等学校(秋田)

2017.02.28


集合写真(大館鳳鳴)

公式戦特有の緊張感を味わえた

■大館鳳鳴はどんな学校?

秋田県大館市にある秋田県立大館鳳鳴高等学校は1898年に秋田県第二尋常中学校として創設。幾度かの校名変更を経て、48年の学制改革で現校名となった。2003年度には文部科学省よりスーパーサイエンスハイスクールに指定され、生徒研究発表会で文部科学大臣奨励賞を受賞するなど理数教育にも力を入れている。野球部は11年春に21世紀枠で甲子園に出場したが、天理(奈良)に0対8で敗戦。昨秋は準々決勝で秋田県大会を制した横手に敗れたがベスト8入りを果たした。第7代校長の中馬 庚は「baseball」を「野球」と訳し、野球殿堂入りしたことでも知られる。

■大館鳳鳴野球部の紹介

現在、野球部は2年生15名、1年生20名の計35名。「今年は粘り強さがセールスポイント」とチームを紹介してくれた奥村 光太主将。練習は学校から少し離れた場所にある野球場で行っており、冬期は主に室内練習場で行っている。また、練習にはマット運動やダンスを取り入れているという。

■大館鳳鳴を引っ張る選手は?

昨年の秋季大会では、小田切 拓朗選手がチャンスメイクやタイムリーヒットなどで得点に絡む活躍を見せた。また、奥村主将は「普段からは想像できないスピード感あふれるプレーをすることができる高見 亮太選手をはじめ、今シーズンは浅田 大輝選手、滝沢 雄大選手、榊 拓朗選手らに期待したい」と話している。

■秋季大会で得た手応えと課題

県北地区大会では大館桂桜に6対5で逆転勝ち。「負けたら秋季大会の敗退が決まるという試合で、初回に2点先制されたのですが直後に1点を返し、良い流れをつかんで逆転。そのまま逃げ切ることができました。負けられない試合で皆プレッシャーを感じていたと思いますが、それを感じさせないプレー、雰囲気があり頼もしさを感じました」と、奥村主将。秋田県大会はベスト8で敗れたが、「公式戦特有の緊張、疲れの中でプレーすることの難しさを改めて学べた」と前を向き、「今後はチャンスを広げる走塁、チャンスで得点できる打力、最少失点でも守りきれる守備力をつけたい」と課題を挙げている。

■この冬の意気込み

「オフシーズンはスピードアップと筋肥大がテーマ」という大館鳳鳴。奥村主将は「一人ひとりが春、そして夏に悔いを残さないためにそれぞれがやるべきことを徹底して行い、技術面、体力面、精神面で大きく成長できるような冬にしたい」と、抱負を語っている。そして、春は秋田県大会でベスト4以上、夏は甲子園出場を目指す。

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[page_break:2年生は全員一緒に弁当を食べながら野球談議]

左から奥村 光太選手、浅田 大輝選手、佐藤 教祐選手(大館鳳鳴)

2年生は全員一緒に弁当を食べながら野球談議

 ここからは、浅田 大輝副主将(2年)と佐藤 教祐選手(2年)の二人にお話を伺いました!

Q. 秋季大会で見つけた課題を教えてください。

浅田:練習試合の疲れと公式戦の疲れは全然違うことを痛感したので、終盤になっても粘れるように下半身を強化したいです。
佐藤:捕手として、投手が自信を持って投げられる球を選べなかったこと。そして、ワンバウンドストップの技術が足りないことが課題です。

Q. この冬は、どんな冬にしていきたいですか?

浅田:高校野球最後のオフシーズンなので夏に悔しい思いをしないように限界まで追い込みたいです。
佐藤:秋に見つけた課題を克服し、自分に負けないよう練習して、技術面や体力面だけでなく、人間として成長できる冬にしたいです。

Q. 野球をする上でのモットーや好きな言葉はありますか?

浅田:「冷静沈着」です。ピッチャーなので、どんな場面でも「落ち着いて、焦らず」ということを心掛けています。
佐藤:「恩返し」です。恩返しをするには、感謝をしなければならないし、誰かのために野球をすることは大切だと思います。

Q. では、チームの好きなところや、ここは他のチームに負けない!というところを教えてください。

浅田:チームワークです。昼休みには、2年生全員が教室に集まって弁当を食べながら学校生活や野球の話などをしています。
佐藤:練習とそうでない時のメリハリをつけているところです。

Q. 最後に、このオフシーズンで「自分はここまで成長するぞ!」という熱い意気込みをお願いします!

浅田:球速を140㎞/h台まで上げ、ストレートと同じ腕の振りで変化球をコーナーに決められるようにしたいです。フィールディング、牽制なども練習し、「勝てるピッチャー」になりたいです!
佐藤:自分に厳しく練習し、体も技術もひと回り成長します!

 浅田選手、佐藤選手、ありがとうございました!

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[page_break:練習メニューは「消化」するのではなく、「挑戦」してほしい!]

冬合宿食事風景(大館鳳鳴)

練習メニューは「消化」するのではなく、「挑戦」してほしい!

 最後に、齊藤 広樹監督にお話を伺いました!

Q. 新チームが始まってから、どのようなテーマをもってチーム作りをされて来たのでしょうか?

 3年生中心のチームから総入れ替えしたので、新チーム結成当初からさまざまな場面で出遅れる場面が多く、その後の反省も行き着くところは「準備が遅かった」ということが多くありました。そこで、テーマに「スピード」を掲げ、野球で求められる技術的なスピードはもちろんですが、それ以外の準備のスピードや状況判断のスピード、仕事に取りかかるスピードや授業への切り替えなど、生活におけるすべての面においてスピードアップを目指しました。

Q. 昨秋の大会を振り返り、冬の強化ポイントを教えてください。

 秋の大会に関しては、実力以上に頑張ってくれたと感じました。ただ、ベスト8敗退でそう感じたということは、逆にその程度の力しかないとも言えます。ですから、冬のテーマはパワーアップを基本に、柔軟性、感性を磨けるような練習を多く取り入れています。例えば、馬跳びくぐり、捕球しながらの長縄跳び、手押し車スラロームといった遊びのなかで、スピード競争やノルマ達成などパートナーやチームで工夫しなければ出来ないようなメニューを増やし感性を磨けたらと取り組んでいます。会話も増えますし、普段とは違ったキャラの発見があって、みんなで楽しんでいます。

 また、毎日のアップで行っているのが、マット運動です。飛び込み前転や倒立歩行、ブリッジ歩きなどチーム内のほぼ全員が出来るようになりました。ここでも、つま先や膝を揃えるなどといった目標は与えますが、どうやったらできるのか。または元々できていた仲間と同じようにするにはどうしたらいいかは自分たちで考えさせています。これも感性を磨くのが狙いで、シーズン通して行っていくつもりです。

Q. 最後に、厳しい冬の練習に挑んでいる選手たちにメッセージをお願いします!

 冬期はグランドで野球は出来ませんが、常にグランドでのプレーをイメージして、それぞれのメニューが持つ意味と目標を自分なりに考えてほしい。また、練習メニューは「消化」するのではなく、「挑戦」してほしい。どんな練習にも、どんな生活面にも、自分を成長させてくれるチャンスが転がっています。それに気づき、ものにできる人間になってほしいです。常に成長途中にある自分自身に「期待」してください!

 齊藤監督、そして大館鳳鳴高校野球部の皆様ありがとうございました!


今年も大好評!
冬が僕らを強くする 特設ページ
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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