Column

明星高等学校(東京)

2017.02.13


集合写真(明星)

夏の練習の成果が出せた

■明星はどんな学校?

明星高等学校は東京都府中市にある私立の中高一貫校で、1923年に明星実務学校として開校。その後、学制改革により3年制の新制中学となり、48年に明星高等学校を併設。54年には女子部が開設され(男女別学)、06年に共学化した。部活動は、全国制覇も果たしている男子ハンドボール部を筆頭にスキー部、体操部などが活躍している。野球部は昨夏、5回戦で日大三に0対2で惜敗したもののベスト16入り。昨秋も一次予選を突破し、本大会出場を決めている。

■明星野球部の紹介

現在、野球部は2年生17名、1年生18名の計35名。鈴村 晃平主将は現チームについて「部員同士の仲がよく、明るくて団結力がある」と、セールスポイントを挙げている。この冬のチームの目標は「体重を増やして、体を大きくする」ことだ。

■明星を引っ張る選手は?

成田 駿選手、梅田 桂吾選手は、昨秋の大切な場面でヒットを放ち打点を挙げるなど、良い働きを見せた。今春は「坂本 凌太郎渋谷 翼に期待している」という鈴村主将。また、チーム1の元気者・皆川 直輝選手はムードメーカーとして雰囲気を盛り上げる。

■秋季大会でつかんだ手応え

昨年の秋季大会は一次予選東京大会の3試合でわずか3失点。鈴村主将は「夏の練習で守備の基礎を固めた成果が出せた」と、胸を張る。また、「ランナーを得点圏に進め、その好機でヒットが打てて効率良く得点が取れた」と、攻撃面でも理想的な試合展開ができたようだ。そして、「(一次予選の代表決定戦では)自分たちよりも実力が上の聖パウロ学園と戦うことになりました。不安もありましたが、『もうやるしかない』という気持ちで挑んだところ、打ち勝つことができたんです」と、確かな自信も手にしている。

■この冬の意気込み

「野球が上手くなるように練習への意識を高く持ちたい」という抱負を持っている鈴村主将。冬のトレーニングでは1周約500mのグラウンドを85~90秒で3~7本。200mを3~10本、400mを3~5本と厳しいランニングメニューもあるが、「つらい練習ほど元気を出して、楽しくやりたい」と、前向きに取り組んでいく。

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心・技・体のすべてがひと回り大きくなる冬にしたい

 ここからは坂本 凌太郎投手と渋谷 翼副主将にお話を伺います。

坂本 凌太郎選手(明星)

Q. この秋見つかった課題は何でしたか?

坂本:コントロールです。秋季大会では四球からの失点や球数が多くなってしまい後半に打たれてしまうことがあったので精度の高い制球力を身に付けたいです。
渋谷:昨秋はキャッチャーとしての役割が果たせなかったので、配球をしっかりと組み立てて投手が楽に投げられるようにすることと、盗塁阻止率を上げること。バッティングでは、より遠くに飛ばすことが課題です。

Q. この冬はどんな冬にしていきたいですか?

坂本:コントロールを安定させるためにも下半身を強化することが目標です。春には球速と制球をともに上げて、レベルの高い投手になれるようにトレーニングを積んでいきたいです。
渋谷:心・技・体のすべてがひと回り大きくなるように、より充実した冬にしたいです。

Q. モットーや好きな言葉はありますか?

渋谷 翼選手(明星)

坂本:「人間性」です。シニア時代の監督に教えていただいた言葉で、礼儀、挨拶など、日頃の態度がプレーにも表れるので意識しています。
渋谷:「精神一到」です。

Q. このチームの良いところはどういうところですか?

坂本:礼儀です。学校生活のなかでも挨拶をするのは当たり前という意識があり、普段の生活から礼儀を正して振舞うように心掛けています。
渋谷:練習中の集中力、チームワークの良さです。

Q. この冬の目標宣言をお願いします!

坂本:春には140キロ! そして、コントロールUP!
渋谷:昨秋に見つけた課題を今冬で克服して、頼りになる選手になれるように努力します!

 坂本選手、渋谷選手、ありがとうございました。

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[page_break:この冬ですべてが変わると自分を信じて!]


練習風景(明星)

この冬ですべてが変わると自分を信じて!

 最後に石山 敏之監督にお話を伺いました。

Q. 新チームの指導でテーマにしていたことは何ですか?

 打撃に関しては、変化球にしてもストレートにしても自分のスイングができるように、まずバットを振ることを指示しました。バットが振れていなければ速い球は打ち返せないので、スイングの形も大切ですが、それ以上にとにかく数を振らせ、そのなかで自分のスイングを身に付けられるように意識させました。

 守備に関しては、投手を中心に守れるチームを目指しました。守れるといってもファインプレーをするというよりは、正面の打球ぐらいは基本的な動きをしながらきちんとスローできる捕球をし、しっかりと投げるというものです。東京大会は勝ち上がれば必ず人工芝の神宮球場での試合になります。そうなれば、おのずとスローイングのミスの方が多くなるので、スローイングに関しては「捕球ミスよりも送球ミスの方が致命的になる」と、特にうるさく言ってきました。

Q. 昨秋の大会を振り返り、冬の強化ポイントを教えてください。

 上記の2つを大きなテーマとしてやってきた結果、昨秋のブロック予選では比較的うまくいった部分もありましたが、本大会では両方ともうまくいきませんでした。四球からの失点や先頭バッターのエラーからの失点。また、打撃に関しても、変化球に合わせにいくような打撃をしてしまい、スライダー主体のピッチャーをまったく打てませんでした。

 冬のテーマに掲げたのは体重アップです。それは体が大きくなると自然とバッティングの飛距離が伸びたり、スイングスピードが速くなったりと、自信の付くことが多いからです。そこで、一人ひとりの体重を管理し、まずはそれぞれのノルマを達成すること。そして、食事においては意識をもってたくさん食べること。トレーニングにおいては手を抜かずにやり遂げることを徹底させています。

Q. 冬のトレーニングに励む選手達にメッセージをお願いします。

 冬のトレーニング時期は実践練習があまりなく、一年間のなかで一番楽しくない時期だと思います。だからこそ自分で意識を高く持って、つまらない練習でも面白くできるようにしてもらいたいです。また、一番妥協しやすいのも、この時期です。目標があいまいになり、つい楽をしてしまいます。しかし、このひと冬ですべてが変わると自分を信じて、自分に負けず、一生懸命ひたすらに没頭できるくらい取り組んでもらえればと思います。楽をすることは誰にでもできる。だから、普通の人にはできないような事を、信念を持って続けてほしいです!

 石山監督、そして明星高校野球部の皆さん、ありがとうございました。


今年も大好評!
冬が僕らを強くする 特設ページ
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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