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NEXTクラークを狙え!2017年はウェルネス、星槎国際湘南が旋風を巻き起こす!?

2016.08.11

 通信制として初の甲子園出場を決めたクラーク記念国際。初めて臨む夏の甲子園を後押しする応援部隊として、なんと環太平洋大マーチングバンド部が乗り込むという。環太平洋大マーチングバンド部は、同じ系列校である創志学園を地方大会から応援しているが、その完成度の高い応援には、多くの高校野球ファンが注目している。それだけに彼らにとっても大きな味方になるだろう。ぜひクラーク記念国際の応援にも注目してほしい。また、軟式野球部も第63回全国高等学校定時制通信制軟式野球大会への出場を決めており、今、硬式、軟式ともに熱い高校となっている。

クラーク記念国際の特色や取り組みについては【野球部訪問】でチェックしてみよう

羽鳥均、土屋恵三郎、佐々木啓司...名指導者を招いて基盤を築いた

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佐々木 啓司監督(クラーク記念国際)

 今回はクラーク記念国際ではなく、全国に広がる通信制の学校に注目していきたい。
今、野球で注目されている通信制の学校はクラーク記念国際以外では


東京日本ウェルネス(東京)【関連記事・前編】 【関連記事・後編】
長野日本ウェルネス(長野)
地球環境(長野)
星槎国際湘南(神奈川)【関連記事】

この4校だ。

 この5チームに共通するのは、名指導者を招いて、まず土台や基盤を築こうとする流れである。

 ではここで、まず2012年選抜甲子園初出場を果たした地球環境が強くなった流れを見ていこう。

 2002年に創立した地球環境。校名を見て感じる方も多いと思うが、物珍しい学校名で、練習試合でも相手の学校の保護者が「そんな校名の学校があるのか?!」と驚かれたこともあるという。

 それでもそんな新鋭校が県外の強豪校と練習試合ができていた。それは塚原青雲(現・創造学園)で監督を務め、甲子園出場にも導いた羽鳥 均監督の力が大きい。指導者生活が長く、甲子園出場経験のある羽鳥監督のネットワークの広さによって強豪校と練習試合を組むことができた。強豪校との練習試合で何が足りないかを分析し、少しずつ力をつけていった。その後、長野大会でベスト16やベスト4に入るなど、県内でも強豪校として注目されるようになり、10年かけてようやく初出場を果たしたのであった。

[page_break:秋、最も躍進を予感させる星槎国際湘南]

秋、最も躍進を予感させる星槎国際湘南

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本田 仁海 (星槎国際湘南)

 この流れに続いたのがクラーク記念国際だ。監督には駒大岩見沢で監督、部長として春8回、夏4回の甲子園出場を果たしている佐々木 啓司監督を招聘し、強化に力を入れたのだ。

 ちなみに、他の3校も名指導者を招いている。東京日本ウェルネス(東京)は、美齊津 忠也監督を招へい。美齊津監督は日本大のコーチ時代は村田 修一(読売ジャイアンツ関連記事)や館山 昌平(東京ヤクルトスワローズ関連記事)を指導。その後、青森山田でコーチや監督を務めた人物だ。そして長野日本ウェルネス(長野)には、松商学園長野日大で監督を務め、長野の指導者では歴代最多の甲子園通算14勝を挙げている中原 英孝氏がこの春から監督に就任。

 星槎国際湘南は、桐蔭学園で長く監督を務め、高橋 由伸(読売ジャイアンツ監督)や鈴木 大地(千葉ロッテマリーンズ)【インタビュー記事<1><2><3>など幾多の名選手を育て上げた選手育成の名人・土屋 恵三郎氏が就任した。

 東京日本ウェルネス(東京)は、このベスト16入りし、そしてベスト16入りを果たした。今年のチームは横浜商大高から転校した渡部 健人関連記事が注目されているが、バッテリーや守備の指導に定評のある美齊津監督の下、守備力の高いチームへ成長。部員も2年生の代から20人以上入ったことで、間違いなく強豪チームへ成長する基盤を築き上げてきている。

 また長野日本ウェルネス(長野)は、夏の長野大会の初戦で諏訪二葉を6対5で破り、公式戦初勝利を挙げている。まだチームはスタートしたばかり。今後の1、2年で、長野県でも強豪校として注目される学校になるのか注目をしていきたい。

 星槎国際湘南はこの、ベスト32に進出。1、2年生に好選手が多く、現在の通信制の学校の中では最も躍進を予感させる学校だ。エース・本田 仁海はすでに140キロ近い速球とキレのあるスライダーを投げ込む右投手で、何より上半身と下半身のバランスが取れたフォームが良い。このままいけば、2017年度の神奈川を代表する右腕になる可能性を秘めている。さらに夏の大会で大当たりを見せた1年生スラッガー・松下 壮悟なども今後の成長に期待がかかる。

 今回挙げた学校は、チームとしての基盤を築き上げ、勝負の時に入っている。クラーク記念国際だけではない!2017年も通信制の学校の戦いぶりに注目だ!

(文・河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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