試合レポート

宮崎商vs宮崎日大

2016.07.24

昨夏Vの宮崎日大が敗退!宮崎商・宮崎工が4強へ。

 【宮崎商】1回戦:14対2都城泉ヶ丘(6回コールド)、2回戦:6対3延岡星雲、3回戦:2対0都城(第3シード)
宮崎日大】1回戦:9対1宮崎学園、2回戦:7対0門川(7回コールド)、3回戦:4対3宮崎第一

 ノーシードから最激戦Cパートを勝ち進んできたチーム同士の準々決勝。

 宮崎日大は1回と3回、宮崎商は毎回得点圏に走者をおくも、互いに譲らず序盤終わって0対0。

 4回表二死走者なしから、宮崎日大6番・平原(2年)が左前安打で出塁すると二盗に成功!続く7番・黒田(1年)が強烈なライナーを放つ!ぐんぐんのびる打球は、中堅手の頭を越えて適時三塁打に!宮崎日大が先制した。

 その裏、宮崎商は流れをひっくり返す。

 四死球と敵失からチャンスをひろげると、一死満塁から1番キャプテン・山村が中前へ抜ける強烈な2点適時打を放って逆転!続く2番・山﨑がジャストミートした打球を右中間へ運ぶ2点適時二塁打!二走・永野に続いて、一走・山村が生還した。さらに、二死一二塁から5番・川門が右前適時二塁打!宮崎商が4点のリード。

 早めに追いつきたい宮崎日大は、直後の5回表に4番・溝上の右中間への適時打で1点を返す。5回終わって、宮崎商5対2宮崎日大。この試合が、このまま終わるはずがない。終盤までもつれるか?

 しかし、6回表、宮崎日大の攻撃。

 先頭打者が2ボールとなったところで、試合開始前から降り始めた雨が、途中は止む間もあったが、ついに本降りになった。一時中断。それから待ちに待って、約2時間後に試合は再開された。

 この中断が、試合の流れを変える可能性は大いにあった。

 だが、宮崎商は、6回裏一死一塁から4番ピッチャー・黒木一(背番号3)が、宮崎日大4番手ピッチャー(左腕)の投じたスローカーブを打ち砕く!黒木一の打球は、角度良く、高い放物線を描いてライトスタンドへ!

 2ランホームラン!長い中断によって静まり返っていたサンマリンスタジアム。黒木一の目が覚めるような1発で宮商スタンドが一気に沸いた。

 点が入ると、最少得点で終わらないのが宮崎商。ここでも、たたみかける。同回一死二三塁から7番・石川が中前適時打!2点を追加して、宮崎商9対2宮崎日大

 7回表二死走者なし。あとアウト1つで、宮崎商が7回コールドを成立させる。その瞬間を待つ宮崎商サイド。喜ぶ準備はできていた。

 ところが、2番(代打)・佐藤が中前安打で出塁すると、打席に入るのは3番・木原。

 3回戦までは、主軸としてチームを牽引したが、今日はまだヒットがない。昨年覇者の宮崎日大、万事休すか?

 だが、一瞬で宮崎日大サイドが沸いた!木原の渾身の一振りは、打った瞬間に入ったと分かるライナー性の左中間越え2ランホームラン!宮崎商9対4宮崎日大

 打たれたら打ち返す。6回に2ランホームランを放った宮崎商4番ピッチャー・黒木一から、コールド負けを回避する木原の1発に、鳥肌が立った。

 宮崎日大が土壇場でミラクルを起こすか?そのような期待も脳裏をよぎったが、宮崎商の強さは本物だった!

 8回裏、8番・蛯原、9番(代打)・迫間の連続適時打で、あっさりと7点差をつけて8回コールドゲーム。

 長時間の降雨中断にも左右されることのない強靭なメンタルで、宮崎日大の夢を破った宮崎商がベスト4進出!

 勢いそのままに、今年は宮商の夏とすることができるか?

 甲子園まで、あと2つ!準決勝では、宮崎大宮と激突する。

(文=三角 竜之

宮崎商vs宮崎日大 | 高校野球ドットコム
注目記事
第98回全国高等学校野球選手権大会 特設ページ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.20

【春季京都府大会】センバツ出場の京都国際が春連覇!あえてベンチ外だった2年生左腕が14奪三振公式戦初完投

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得

2024.05.19

【宮崎】日章学園、富島、小林西などが初戦を突破<県選手権大会地区予選>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?