Column

一関学院、花巻東の私学だけではなく、釜石、一関工の戦いぶりに注目!【岩手抽選会後 展望】

2016.07.07

 ここ数年、盛岡大付と花巻東が交互に夏の代表校になっている岩手。今年のセンバツ大会には21世紀枠釜石が出場し、春の県大会一関学院が優勝したものの、地区予選では公立校も健闘を見せるなど、県全体のレベルは高くなっている。

■組み合わせ表は以下から

【第98回岩手大会組み合わせ表】

一関学院は昨夏の悔しさを晴らすことができるか?

熊谷 星南(花巻東)

 2年連続で第1シードの一関学院昨夏は決勝で花巻東と延長13回の死闘の末に敗れた。昨秋は3位で出場した東北大会で7年ぶりに4強入り。今春の東北大会は優勝した東北に初戦で敗れた。伝統的に守備力の高いチームだが、今年も健在。183センチの大型遊撃手・小林 亮介に俊足巧打の二塁手・小椋 元太が中心で投手陣もエース左腕・大竹 樹希哉を筆頭に多彩だ。2010年以来となる甲子園出場はなるか。

 一関学院の初戦は遠野緑峰釜石の勝者。釜石は昨秋、県大会で準優勝し東北大会に出場、21世紀枠でセンバツ大会に出場した。センバツ大会では同じく21世紀枠で出場の小豆島(香川)と初戦で当たり、2対1で勝利。エース・岩間 大を中心に再び、旋風を起こせるか。

 今年の岩手には前沢宮古水産沼宮内大迫雫石の5校で合同チームを組んだ「五校連合」が入った。初戦は伝統ある大船渡だ。

 毎年のように好チームに仕上げてくる盛岡三。この春は地区予選で敗れ、県大会出場はならなかったが、夏に近づくにつれて順調な仕上がりを見せている。県大会初戦で盛岡中央に延長12回サヨナラ勝ちし、8強入りした釜石商工もこのブロックで、初戦は一関一だ。

 第2シードは花巻東。マスクをかぶる福島 圭斗、プロ注目の熊谷 星南、191センチで投手も兼任する千葉 耕太と、昨夏の甲子園経験者が多く残っている。昨秋は2回戦で盛岡大付に敗れ、早くに公式戦が終了。一冬の鍛錬で、今春の県大会準決勝では盛岡大付に11対3でリベンジ。春の東北大会では東陵にコールド負けしたが4強入りした。甲子園常連ではあるが、夏の連覇はまだない。初の連覇になるか、戦いぶりに注目だ。

 初戦は盛岡工花巻農の勝者。盛岡工今春の盛岡地区予選で盛岡大付と接戦を演じている。昨秋4位、今春8強の花巻南もこのブロックに入った。この春の花巻地区予選決勝では花巻東に延長10回サヨナラ負けと惜敗。初戦は楽天・銀次の母校・盛岡中央と戦う。このブロックには春夏6回の甲子園出場がある専大北上もいる。その専大北上今春の北奥地区予選で13対3の6回コールド勝ちを収めた黒沢尻工も同ブロックだ。

このページのトップへ

[page_break:盛岡大附は、打線で勝負 公立校で注目なのは?]

盛岡大附は、打線で勝負 公立校で注目なのは?

井上 涼平(盛岡大附)

 昨秋の県大会花巻東専大北上一関学院とライバルチームを撃破し、3年ぶりの頂点に立った盛岡大付。今春は県大会準決勝で花巻東に敗れ、3位決定戦で一関工に7対4で勝利した。ここ数年、力を入れている打撃は今年もパワフル。植田 拓塩谷 洋樹らパンチ力のある選手が打線に並ぶ。一方の投手陣は継投で乗り切ることになりそうだ。

 伊保内と初戦を戦う盛岡商のエース・佐々木 大和は140キロを超える速球が武器。大東菊地 大智、拓海、洸太の三つ子がセンターラインを守り、クリーンアップを打つ。好投手・千田 雄大擁する岩手高田は今春の県大会初戦で専大北上に延長10回サヨナラ勝ちし、8強に進出している。

 第4シードは一関工今春の県大会初戦でセンバツ大会に出場した釜石を9対6で下し、2回戦で盛岡商に8回コールド勝ち。準々決勝で昨秋4強の花巻南に競り勝ち、10年ぶりのベスト4進出となった。準々決勝では4番・千葉 健志が2打席連続本塁打を放った。

 このブロックのもう1つのシード校が千厩今春の一関地区予選準決勝で一関学院と対戦し、延長11回サヨナラ勝ち。県大会でも2回戦で福岡から延長11回の末に勝利を挙げるなど、粘り強い戦いぶりを見せ、12年ぶりの8強入りを果たした。夏の最高成績であるベスト8を超えることはできるか。

 今年のセンバツ大会釜石が出場したが、夏は1994年盛岡四以降、公立校の甲子園出場はない。今年は私学に健闘する公立校が目立つ岩手。どんな戦いが繰り広げられるのか。

(文・高橋 昌江


注目記事
第98回全国高等学校野球選手権大会 特設ページ

このページのトップへ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.31

【鹿児島NHK選抜大会】鹿児島実がコールド勝ち!川内商工は終盤に力尽きる

2024.05.31

夏の愛知大会は6月28日から開幕!決勝戦は7月28日【愛知大会要項】

2024.05.31

【鹿児島NHK選抜大会】鹿屋農が"強気の勝負"で勝機を引き寄せ4強入り

2024.05.31

【北信越】富山県勢4校が12年ぶりの県勢V狙う、茨木擁する帝京長岡にも注目<地区大会>

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.26

【近畿大会注目チーム紹介】実力派監督就任で進化した奈良の名門・天理。超高校級の逸材3人を擁し、緻密な攻守で全国クラスのチームに!

2024.05.26

【春季関東大会】白鷗大足利が初優勝!最後はタイブレークの末サヨナラ死球で幕切れ!

2024.05.26

【近畿大会注目チーム紹介】エース頼み脱却を目指してきた京都国際。「素質はプロ入り左腕と同等」の2年生左腕の台頭と打線強化で京都の大本命に成長!

2024.05.26

【福島】聖光学院が4連覇を達成<春季県大会>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉