優勝校2校を破る!八重山商工はこの夏、どんなストーリーを描くのか?
優勝校2校を破る!八重山商工はこの夏、どんなストーリーを描くのか?
伊志嶺監督
全国で一番早い夏を迎えた沖縄県で、驚きの事態が起こっている。なんと秋優勝の八重山、春優勝の糸満が敗れたのだ。その2校を破ったのが八重山商工だ。今年、八重山商工は特別な思いで夏に臨んでいる。八重山商工を強くした伊志嶺吉盛監督が勇退するのだ。2003年に八重山商工の監督に就任した伊志嶺監督は、厳しく選手を鍛えた。その姿はまるで「オヤジ」。2006年にはエース大嶺祐太など3年生選手がメキメキと成長し、春夏連続出場を果たすだけではなく、夏の甲子園では2004年夏の甲子園ベスト4の千葉経大附を破るなど、その戦いぶりは全国の高校野球ファンの心を捉えたのだ。あの2006年、全国でも名前を知られるようになった八重山商工は、以後も県内を代表する強豪校として君臨したが、なかなか甲子園には出場できなかった。八重山商工を強くした伊志嶺監督にとって最後の夏を迎えたのだ。
まず八重山商工は八重山と対戦。同じ石垣市同市の一戦は、5回まで0対0。だが6回表に、2年生の平良 海馬の3ランで先制。その後、1点差に迫られるが、7回表に1点を追加し、9回表に4点を入れ、8対2で快勝し、まず八重山を破ると、そして今日、糸満と対戦した。7回まで3点を先制。その後、1点差に迫られたが、逃げ切りに成功。ベスト16入りを果たしたのだ。
伊志嶺監督のために有終の美を飾りたい八重山商工ナインの快進撃。秋、春の優勝校を2校破ったのは、偶然ではない。春先の商業高校野球大会で優勝をするなど、県大会後に着実に力をつけてきて臨んだ夏である。そして今年の主力には、2年生ながら140キロ台の速球を連発し、さらには、初戦で豪快な本塁打を放った平良海馬がいるが、投打にスケールある選手がチームを引っ張るのは、何か2006年とダブったところがある。
八重山商工が甲子園から遠ざかって10年。そこで伊志嶺監督が勇退。もし甲子園出場が実現すれば、伊志嶺監督にとって最後の甲子園となる夏で、いきなり優勝校2校を破る。ここまで出来すぎなストーリーだといっていい。しかし甲子園の道は険しい。次の相手は昨夏4強の沖縄宮古、同じブロックには嘉手納、昨夏甲子園出場の興南、隣のブロックには前原、そして逆側のブロックには美里工、そして夏場にかけて強くなる沖縄尚学がいる。ここまで強豪2校を破ったとはいえ、甲子園に行くのはたやすいことではないのは八重山商工ナインが自覚しているはず。
しかし今の八重山商工には何かが味方をしているような気がする方は多いだろう。伊志嶺監督と八重山商工ナインのストーリーはどこまで続いていくのか?見守っていきたい。
■注目校、注目選手に迫った抽選会前展望も要チェック!!
【どこが出場してもおかしくない群雄割拠の沖縄の夏がやってくる!】