投打に大活躍!今年の都立の星になった関根 智輝(都立城東)!
2014年、伊藤 優輔(都立小山台-中央大)、鈴木 優(都立雪谷-オリックス)と2人の都立校の投手が注目を浴びていたが、現在その2人に負けない魅力を持っているのが都立城東の関根 智輝である。昨秋、秋季大会ベスト8に導いた関根は、さらに春の大会でも投打で活躍を見せ、二季連続ベスト8進出の原動力となった。今回は関根投手の活躍ぶりを振り返っていきたい。
投打で大活躍を見せた春季大会
関根 智輝(都立城東)
昨年11月、都立城東の取材で、エース・関根 智輝の姿を見た瞬間、これはプロ注目投手になるだろうと感じた。181センチ83キロと上背の大きさと恵まれた体躯、鍛えられた足腰を見て、とにかく春先の活躍が楽しみになった。
昨秋の時点で140キロのストレートを投げており、さらに制球力も抜群で都立校の投手として十分すぎる力量を持っていた関根は強豪・明大中野から勝ち星をあげるなど、ベスト8進出に貢献。近年、都立校の本格派右腕で、秋季大会ベスト8に導いた投手といえば、まさに伊藤の名前が思い浮かぶが、関根はその伊藤に並ぶ投手だと言っていい。
取材時、「僕は夏までに150キロを目指していますし、また甲子園で活躍した伊藤さんやプロ入りした鈴木さんに続く投手になりたい」と語ってくれた。
そして一冬越えた関根はさらに大きくなって帰ってきた。初戦(3回戦)の立教池袋戦で2本塁打含む3打数3安打、4打点。投手としては6.1回を投げ11奪三振と圧巻の投球。ストレートの最速は144キロまでレベルアップしており、角度あるカーブとフォークがうまく嵌った試合となった。
さらに4回戦の創価戦では、1回裏に1点を取られたが、4回表に自ら同点本塁打を放つ。この本塁打で気分が乗った関根は4回以降、無安打に抑える投球を見せる。そして主将の高野 慎太郎の決勝本塁打で2対1で競り勝ち、二季連続ベスト8入りを果たす。
そして準々決勝の関東一戦では、昨秋優勝の相手に力投。この試合で最速143キロを計測したストレートを武器に関東一打線に立ち向かっていく。そして打者としてはいきなり第1打席で先制となる本塁打を放つ。これが今大会4本塁打目となり、自慢の長打力を見せた。
関根は序盤に2失点したが、その後点を許さず4対2のリードを保ったまま好投を続けていたが、7回裏に同点に追いつかれてしまう。だが勝ち越し打を許さず、4対4のまま延長戦へ突入するが、雨天により再試合に。翌日の再試合では、連投の影響もあったのか8失点を喫し関東一に敗れ、ベスト4進出はならなかった。
関根は試合後、「(前日の試合を含め)両方とも勝てる試合でした。(関東一は)勝負どころでは強いと思いました」と語った。春の時点で、東東京の王者・関東一と対戦したことは大きな経験となったことだろう。そこで戦った経験を夏にどう生かしていくのか。
今大会で、関根の総合力は都立校の投手どころか、東京都の投手として見てもトップクラスだと証明した。夏では初登板からその投球ぶりに注目が集まることは間違いない。関東一との2戦で互角の勝負を見せた都立城東ナインに周囲の期待は高まっている。その期待を一身に背負う関根 智輝。2001年以来となる夏の甲子園を目指して、猛者が集う東東京の強豪を封じ込む快投を見せていきたい。
(文=河嶋 宗一)
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