明石商vs市川
背番号11が2安打無四球完封!これが覚醒の瞬間!?
明石商業・山﨑伊織
立ち上がりに相手のミスで2点を先制した明石商は、2回にも1点を追加すると、4回には2番・藤原祐介(3年)のタイムリー二塁打と4番・小西翔太(3年)のタイムリーで点差を5に広げてゲームを優位に進めた。
先発した山﨑伊織(3年)は、4回に連打を浴びた以外はほぼ完璧な内容で兵庫市川打線を抑え、無四球完封。昨秋に続いてのベスト4進出を決めた。
「まぐれですよ。先に得点してもらったから楽になっただけ」と挾間善徳監督は笑ったが、マウンドに上がるたびに181センチの逸材が大きく見えるようになった。力みが見られた3回戦とはまったく雰囲気が異なる堂々としたピッチングで、昨夏の兵庫大会3回戦(明石西戦)以来の公式戦完封をやってのけた。
「先頭打者を出さないように、丁寧に投げることを心がけました。先発だったので、9回を投げるつもりでした」と話した山﨑。そして、「無四球だったことが良かったです」と喜んだ。ひょっとするとこのゲームが、覚醒の瞬間になるかもしれない。エース・吉高壯(3年)に次ぐどころか、凌ぐ存在になってくれば、確実に明石商は強くなる。
さて、この試合ではエースの吉高が6番レフトで先発出場した。経験が少ないポジションで、打球の追い方など若干不安が見られたが、指揮官はある構想を持っていた。「夏の大会で吉高を先発させて、展開によっては他の投手を使うことがある」。その時に吉高をベンチに下げるよりも外野を守らせて再登板の可能性を残しておくという考え方である。
「野球は怖いですから」と話した挾間監督の頭の中では、すでに夏の大会での様々なパターンのシミュレーションがあるようだ。
(写真:中谷明 img002~img033)
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