Interview

東海大相模高等学校 戸崎慶選手「昨秋とはまるで別人 成長したポイントとは?」

2016.04.20


戸崎慶選手

 

 昨秋に続き、準々決勝で横浜と対戦が決まった東海大相模。今回は東海大相模打線の鍵を握る主将・戸崎慶選手の打撃に迫った。昨秋よりも進化した点とは何だろうか。

戸崎の成長した点とは?

戸崎慶選手(東海大相模)

 昨年、全国制覇を果たした東海大相模。二季連続目指した昨年の秋季大会は横浜コールド負け。それは彼らにとって悔しい負けだっただろう。特に主将の戸崎はかなり責任を感じていたかもしれない。

 一冬明けた東海大相模ナインの成長は目覚ましいものがあった。1番加藤元気がいきなり痛烈な左越え二塁打を放った当たりを見て、昨年と比べて打球の勢いが違うと実感させられた。

 戸崎の第1打席は、初球だった。痛烈な左前安打を放ち、3点目をもぎとった。東海大相模の攻撃で良かった点は狙い球をしっかりとコンタクトしたこと。初球打ちはしっかりと打てれば、さすがといわれるが、もし打ち上げて凡退すれば、「何、初球から打ち上げているんだ!もっとじっくりいけ!」と叱責されるもの。
 意外とファーストストライクをコンタクトして打ち返すことは難しいものなのだ。その集中力が今年の東海大相模ナインにあった。その中でも戸崎のコンタクト能力はずば抜けていた。

 そして第2打席。初球の外角ストレートをあわや逆方向にホームランと思わせる特大ホームランを放った。この当たりから昨年と比べて技術面が格段に伸びていると実感できるものだった。昨年の戸崎は何か腰が入っていない構えで、踏み込んだ時に前膝の割れがなく、変化球を待ちきれないだけではなく、上半身の回転のみで打ち返す打法で、鋭い打球を打てるフォームではなかった。時折、芯に当たれば、強い打球を飛ばすことはできるが、盤石の形ではなかった。だが、この日の戸崎は違った。第2打席の初球を打った右方向のファールは、前足が突っ張らず、さらに左肩が開き気味だった上半身の動きも我慢できるようになっていた。スイング軌道を見ると、トップからインパクトまで肩口から振りだし、ヘッドの先端が下がらずに振り抜くことができていた。上半身、下半身の動きともに進歩の跡が見えていたのだ。そして2球目は真ん中気味のスライダーは手元で呼び込んで、振り抜いた打球はレフトスタンドへ消える3ランとなった。

 ただ筋力的なアップなだけではなく、直球、変化球ともに体全体を使ったフルスイングができるようになったことが成長点だ。これで高校通算29号。昨秋の戸崎とはまるで別人だ。この3ランが大きな追加点となり、日大藤沢に快勝。さらには、藤嶺藤沢にもサヨナラ勝ちし、再び横浜との挑戦権を手にした。

 横浜のエース・藤平尚真は、140キロを超える速球だけではなく、キレのあるスライダーも絶品で、簡単に打ち崩せる投手ではない。だが、今回の東海大相模打線は昨年よりもレベルアップを果たしているだけに打ち崩す可能性はある。
 藤平がこれは打てない!と思わせるピッチングができるか。それとも東海大相模打線が攻略するかは主将・戸崎慶のバットにかかっている。

(文=河嶋宗一


注目記事
【新入生特集】新高校球児のための入部ガイド

このページのトップへ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.26

【春季四国大会逸材紹介・高知編】2人の高校日本代表候補に注目!明徳義塾の山畑は名将・馬淵監督が認めたパンチ力が魅力!高知のエース右腕・平は地元愛媛で プロ入りへアピールなるか!

2024.04.26

今週末に慶應vs.横浜など好カード目白押し!春季神奈川大会準々決勝 「絶対見逃せない注目選手たち」!

2024.04.26

古豪・仙台商が41年ぶりの聖地目指す! 「仙台育英撃破」を見て入部した”黄金世代”が最上級生に【野球部訪問】

2024.04.26

【奈良】智辯学園が13点コールド!奈良北は接戦制して3回戦進出!<春季大会>

2024.04.26

【春季奈良県大会】期待の1年生も登板!智辯学園が5回コールド勝ち!

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.22

【九州】神村学園、明豊のセンバツ組が勝利、佐賀北は春日に競り勝つ<春季地区大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!