Column

【第88回選抜大会】21世紀枠 各地区候補 紹介!出雲(島根)

2015.12.22

 中国地区大会ベスト8出雲。学校の特色、選考状況を振り返っていきます。

学校紹介


マウンドに集まる出雲ナイン(平成27年度秋季中国地区高等学校野球大会 準々決勝より)

 出雲高校は本年で創立95年を迎える伝統ある学校で、これまでの卒業生は3万人を超える。卒業生には元衆議院議員・岩国 哲人氏、オペラ歌手・錦織 健氏、前島根県知事・澄田 信義氏をはじめとする数多くの著名人がいる。「文武両道」を校是とし、9割を超える生徒が部活動に加入し、毎年約7割の生徒が現役で国公立大学に合格する中国地方有数の公立進学校である。

 2013年度から文部科学省よりスーパーサイエンスハイスクール(SSH)、翌2014年度からスーパーグローバルハイスクール(SGH)に指定されたことが、学校にさらなる勢いを与えた(SSHは理数系、SGHは国際社会分野で活躍できる人材の育成を目的とし、ダブル指定は現在、全国で24校のみ)。学業においては、より専門的で難易度の高い上級学校へ進路希望を持つ生徒が増え、部活動においては、県高等学校総合体育大会対抗男女総合の部で2014年に初優勝を果たし、弓道部は3年連続で全国選抜大会に出場して男子団体では2013年に全国優勝を飾っている。

 文化系部活動においても吹奏楽部が2015年に14年ぶり、コーラス部が2014年に6年ぶりの全国大会出場を果たした。英会話部も全国高校生英語ディベート大会で参加2年目の2014年に全国10位に入った。

 野球部員の中にも、学校代表として2015年に開催された第17回中国・四国九州地区理数科高等学校課題研究発表大会において、松江市と出雲市をまたがる宍道湖(しんじこ)の水質を変える富栄養化の防止とリンの有効利用の課題について、英語による発表を行った生徒がいる。全校生徒が本当の意味での学業と部活動の両立を実践し、高校生の模範となるような学校になっている。

 野球部は1949年に創部。近年は2004年秋、2010年春に県大会優勝を果たしているが、未だに選手権大会と選抜大会の出場経験はない。過去に選抜補欠校2回、県優勝は春4回、夏2回、秋4回。現在の1・2年生部員28名は、全員が一般選抜で入学し、出雲市内の自宅から通学している。平日は2~3時間の限られた時間の中で、サッカー部・ラグビー部・テニス部との共用グラウンドで練習し、雨天時は体育館下ピロティを6つの部活動と共用で使っている。

 練習時間・環境等の悪条件を成長の糧とし、高い集中力・創意工夫の実践・集団結束等に活かしている。今年の秋季大会では、バッテリーと野手の連携によるアグレッシブなディフェンスで失点を最少に抑え、打撃力を補うための機動力を軸とした攻撃「走打連携」で得点を重ね、中国地区大会ベスト8まで進んだ。特に中国地区大会1回戦では、広島県1位校の広島国際学院を相手にエース原 暁が9回4失点(自責点0)で粘り、9回2アウトから2盗塁を絡ませて逆転勝ちするなど、接戦に強い。

 防御率1.59のエース原と、2.74の左腕・加藤 雅彦はどちらも完投能力があり、秋季大会で好投した。学業面においても、野球部員の多くが国公立大学を志望しており、日々の文武両道の実践により毎年8割の部員が国公立大学に合格している。

 建学の精神である「至誠息(や)むこと無し、息まざれば則ち久し、久しければ即ち徴(しるし)有り」を受けて、野球部は「一隅を照らす」ことをモットーに活動している。自分の置かれた場所で一人一人が周囲の方々を明るく幸せにすることが出来るような、誠実な行動をとることがそれである。明るくさわやかな挨拶の励行・気づいたときにすぐに行動に移すゴミ拾いや清掃・相手の気持ちを考えた行動等を日々の生活の中で実践しており、地域の方々から喜ばれている。今回の野球部の活躍により、長年甲子園を夢見てきた卒業生や地域の方々の期待はさらに高まってきている。

地区選考状況

 各県推薦校の推薦理由の説明を受けた。選考条件に照合することで差別化を図ろうとしたが、いずれの学校も差異はなく、最終的に競技力に注目し、今秋中国大会に出場して初戦に勝利した島根県立出雲高等学校を推薦することとした。


注目記事
・【12月特集】冬のトレーニングで生まれ変わる

このペ-ジのトップへ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.20

【春季京都府大会】センバツ出場の京都国際が春連覇!あえてベンチ外だった2年生左腕が14奪三振公式戦初完投

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得

2024.05.19

【宮崎】日章学園、富島、小林西などが初戦を突破<県選手権大会地区予選>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?