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【ドラフト1位特集】小笠原 慎之介投手の3年間の軌跡を年表と写真で振り返る

2015.10.30

 中日ドラゴンズから1位指名を受けた小笠原 慎之介投手。早くも将来のエース候補として期待がかかる小笠原投手の3年間の軌跡を年表と写真で振り返りつつ、今年大きく成長した要因にも迫っていきたい。

小笠原 慎之介投手の活躍を年表と写真で振り返る

横浜戦に先発する小笠原 慎之介(2013年 秋季神奈川県大会 準決勝)

■2013年4月
東海大相模入学。

春季神奈川県大会
でベンチ入りし、準々決勝湘南戦で登板する。

■2013年10月

秋季神奈川県大会
準決勝横浜と対戦。小笠原は先発するも、途中降板。横浜に0対4で敗れ、準決勝敗退。センバツ出場を逃す。

■2014年7月
第96回神奈川大会準決勝横浜にリベンジ。小笠原は9回二死から登板し、最後の打者を抑える。

鶴嶺戦で好投を見せる小笠原 慎之介(2014年秋季神奈川県大会 4回戦)

■2014年8月

第96回全国高等学校野球選手権大会
出場。
小笠原は2回戦盛岡大附戦で登板。1回3分の1を投げて無失点の好投。

■2014年10月
第67回秋季関東地区高等学校野球大会出場を目指すも、県大会準決勝で敗退。小笠原自身は4回戦鶴嶺戦で10奪三振完封勝利の活躍。

浦和学院戦に登板する小笠原慎之介(2015年春季関東大会 浦和学院戦)

■2015年5月

第67回春季関東地区高等学校野球大会
準決勝浦和学院に敗れる。小笠原は最速149キロをマークするが、2本塁打を浴び4失点。ここでチェンジアップの重要性に気付く。

■2015年7月
第97回神奈川大会では27イニング1失点と圧巻の投球。決勝戦では宿敵・横浜と対戦し、完封勝利を挙げ2年連続甲子園出場を決める。

聖光学院戦で最速151キロを計測した小笠原 慎之介(第97回全国高等学校野球選手権大会2回戦)

■2015年8月

第97回全国高等学校野球選手権
優勝

2回戦
聖光学院戦で最速151キロを計測。小笠原は5試合25イニングを投げて20奪三振、防御率3.24と要所を締める投球で見事、優勝投手に輝く。

キューバ戦中、笑顔を見せる小笠原 慎之介(第27回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ)

■2015年9月
U-18代表に選出され、第27回 WBSC U-18ベースボールワールドカップに出場。計2試合に登板、8イニングを投げ、1失点11奪三振の好投を見せる。

第70回国民体育大会
「紀の国わかやま国体」優勝(小笠原はケガで未登板)。

■2015年10月
プロ志望届提出。
10月22日、北海道日本ハムファイターズ、中日ドラゴンズから1位指名を受け、抽選の結果、中日ドラゴンズが交渉権を獲得。同校で、高卒で中日から指名を受けたのは森野 将彦選手以来。また中日から高卒でドラフト1位を受けたのは史上初めてのケースとなる。
さらに12球団含めて高卒で投手がドラフト1位指名を受けたのも史上初である。

ギャラリーチェック!

小笠原 慎之介選手の活躍の写真を収めたギャラリーをチェック!

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[page_break:高卒では野口 茂樹以来となる左のエースとなれるか?]

高卒では野口 茂樹以来となる左のエースとなれるか?


東海大相模が甲子園優勝を決めた瞬間

 中日ドラゴンズから高卒で左のエースになった投手といえば、野口 茂樹投手の名前が真っ先に思い浮かぶ。丹原高出身で、1992年秋、中日から3位指名を受けた野口投手は、1996年にノーヒットノーラン。さらに1999年には19勝をマークし、リーグ優勝に貢献。中日在籍期間中は通算80勝を挙げたエース左腕だが、小笠原は野口以来の左のエース候補生に相応しい実力と実績を残しただけに期待は高い。

 今年、小笠原が大きく成長するきっかけとなった試合は春季関東大会準決勝浦和学院戦だろう。浦和学院打線に2本塁打を打たれ、4失点。一方で、浦和学院のエース・江口奨理は縦に鋭く落ちるチェンジアップを駆使して、東海大相模打線を完封勝利。まさに手玉に取るような投球であった。

江口の投球が大きな影響を与えたのだろう。小笠原は夏にはチェンジアップを駆使するようになり、神奈川大会では27イニングを投げ1失点と圧巻の投球を見せた。

 甲子園での小笠原は神奈川大会と比べると調子を落としていたが、それでも粘り強く投げて勝てたことが素晴らしい。この1年間、小笠原は投手として成長しただけではなく、課題に向き合って克服する姿勢も見せた。そこが一番の成長だといえる。プロは失敗することが多い場所。小笠原の課題に前向きに取り組む姿勢はプロで生き残る上で大事な要素だ。

 中日はエース候補性としてじっくりと小笠原を育てることだろう。中日には高卒3年目で、今年10勝を挙げた若松 駿太投手がいるが、小笠原も高卒3年目から先発ローテーション入りを果たすことができると、球団からすれば理想的な成長曲線を描いていると言える。プロでは、今年の高校生ナンバーワン左腕にふさわしい実績を積み上げてほしい。

(文=河嶋 宗一


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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