仙台育英vs広島新庄
仙台育英打線を最後まで苦しめた堀瑞輝(広島新庄)
堀瑞輝(広島新庄)
「堀くんのストレート、スライダーの切れともに素晴らしかったです」と仙台育英の平沢大河が絶賛するように広島新庄の先発・堀瑞輝(2年)の内容が素晴らしかった。
堀は先日の広島県大会で16奪三振完封勝利を挙げたが、その勢いはとどまるはない。
左スリークォーターから投げ込む直球は常時130キロ中盤~常時130キロ後半(最速138キロ)を計測。左サイドから球速表示以上の勢いを感じさせるストレート。そして「真っ直ぐの軌道でぐっと曲がるんです」と平沢が感想を語った120キロ台のスライダー、そして「基本的に直球、スライダーしかなく、それで緩い変化があれば面白い」と思って習得したチェンジアップ。左打者にはスライダー、右打者にはチェンジアップを投げ分け、仙台育英打線を打ち取っていく堀。
最大の見せ場となったのは4回裏、平沢をスライダーで空振り三振、4番郡司を三振に打ち取った。この3、4番の連続三振に球場はどっと沸いた。5回裏、仙台育英はストレートに狙い球を絞り、9番百目木、1番佐藤将の連続適時打で同点に追いつかれるが、再び平沢を空振り三振に打ち取り、2対2で6回に突入する。
「想像以上に素晴らしい出来でベンチがやばい、やばい雰囲気」と郡司が語るように、やや危ない雰囲気となっていたが、6回表からエースの佐藤世那を投入したことで試合の流れが変わっていく。
そして8回裏、二死満塁から5番佐々木良介の投手強襲安打で勝ち越しに成功した仙台育英。それでもここまでの力投に、仙台育英のナインは堀の投球に脱帽したコメントを残していた。
「この経験を無駄にせず、広島県大会準決勝にいかしていきたい」と語った堀。終盤にスタミナが落ちて制球を乱す傾向があるので、そこをいかに我慢をして、常に安定したピッチングができるかを課題に挙げていた。
広島新庄には、田口麗斗(読売巨人)、山岡就也(國學院大)と2人の好左腕を輩出しているが、堀は「2人を超える投手になりたい」と目標を掲げた。選手権準優勝の仙台育英に力投した経験は必ず生きるだろう。この秋は中国地区屈指の好投手に成り上がるか、大いに注目をしていきたい。
(文=河嶋 宗一)
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