中大附vs都立橘

先発・遠藤（中大附）

　日差しが強く、夏の暑さが残る中で始まった秋季東京都大会 第12ブロック 2回戦。会場を[stadium]創価学園 東大和グラウンド[/stadium]とし、初戦3対0で葛飾商を破った中大附と今回が初戦の都立橘が激突。

　試合は、打線が繋がり、好投手二人の継投リレーで都立橘を圧倒した中大附がコールド勝ちとなった。

　得点シーンは2回裏。
中大附はこの回、先頭の7番中村が死球で出塁するところから攻撃が始まる。続く栗上が犠打で送ると、9番滝島の右安打、1番小口、2番井口の連続敵失でまずは2点を先制。その後は、3番遠藤が四球で一死満塁となると、4番加藤が走者一掃の中越え適時三塁打を放ち、3点を追加することに成功。さらに、5番竹下も三塁打を放ち、1点を追加。この回一挙6得点と、序盤からビッグイニングを中大附が演出した。

　中大附の猛攻は止まらない。
3回裏にも、9番滝島の四球から始まり、1番小口、2番井口の2連打で1点、3番遠藤の三塁打で2点、4番加藤のこの日2本目の三塁打でさらに1点、最後は5番竹下の適時打を放つことで、この回5点を追加。上位打線の繋がりが、2回、3回のビックイニングの要因となった。

　投げては、先発遠藤が3回を3安打無失点、二番手・金子が2回を投げて1安打無失点の好投を見せ、5回コールドで都立橘を破った。

二番手・金子（中大附）

　これで二試合連続無失点での勝利となった中大附。その要因はどこにあるのか。試合後、今年から中大附の監督に就任した辻川監督が語った。

　「一番の要因は、投手二人が互いに高め合いながら試合に臨んでいることです。エースナンバーの“1”は選手全員による投票で決める制度を取っています。この夏、遠藤、金子共に互いをライバル視しながら頑張った結果、1票差で遠藤がエースとなりました。試合では、二人の力投に他のメンバーも刺激を受けて、無失点が継続されていますね。」

　二試合連続無失点は、二本柱の投手が切磋琢磨することで生まれた結果となっていた。両投手から伝わってきた気迫は、画期的なシステムの産物である。

　また、打線に関しても、この日二本の三塁打を放った4番加藤にも触れながら、「キャッチャーでキャプテンの加藤は頼りにしています。ただ、下位打線がまだまだなのでそこが課題ですね」と語った。

　一度火がつくと手がつけられない打線であるが、下位打線の強化によりさらに切れ目のない打線へと進化する。そして、今回快勝することができたが、次は代表決定戦。代表決定戦に向けては、「胸を借りるつもりで挑みます。春につなげられる試合にしたいです」と語った。

　第二試合の結果（試合レポート）から、次は当番校である創価との対決が決まった中大附。辻川新監督を迎え、新体制となった新生・中大附が、代表決定戦の壁を越えることができるか注目していきたい。

（文＝高校野球ドットコム編集部）