試合レポート

都立杉並vs都立五日市・大東学園・都立瑞穂農芸・明星学園

2015.09.07

最後は雨中の大乱戦になったが、杉並がサヨナラ勝ち

リードオフマンの恩田君(都立杉並)

 9回になって、ポツリポツリと来たかなと思ったら、突然ザーッと降り出してきて、たちまちにしてグラウンドはぬかるみ状態になってしまった。しかし、9回が始まってしまい、なかなか止めるに止められない状況となって、球が滑ったりする中、ここまでの試合とは全く違った泥んこ試合になってしまい気の毒だった。

 そんな中に都立五日市・大東学園・都立瑞穂農芸・明星学園の連合チームが2四球を含めて5連続出塁、満塁で川島君の三塁打が出るなどで5点差がたちまち詰まってしまった。しかし、8対8となったその裏、今度は都立杉並が連続四球でチャンスを作り、わずかなスキとぬかるんだ中で野手がもたつく間に三塁まで進み、最後は手が滑ってのワイルドピッチとなって、あっけなく決着がついてしまった。

 突如の雨で最悪のコンディションとなってしまった中で、どうしようもない状況だったが、9回を除くと、秋の新チームで連合チームもいるという中では、大きな守りのミスもなく、まとまった試合にはなっていた。

 先制したのは都立杉並で初回、連続四球と盗塁で得た好機に、暴投と4番内海君の右犠飛で2点を先取した。3回にも1番恩田君の左越二塁打を切っ掛けにして2点を奪い、都立杉並は終始リードを保つ形で試合を作っていた。

 恩田君は、夏休みの練習に入ってすぐにケガで戦列を離れ、先週やっと帰ってきたという状況だという。田北和曉監督も、最も期待している選手でもあるだけに戦列離脱は痛かったようだったが、帰ってきたら、この日も3打数3安打で1四球、出塁がすべて得点に結びつくという4得点でリードオフマンとしては十分すぎる仕事を果たしている。

 都立杉並では、この恩田君と2番の久木元君がいずれも3安打で、機先を制していた。
9回こそは、突然の大雨という状況になって、吉田君もどう対処していいのかわからないくらいの状況になってしまって、なかなかアウトも取れなかったけれども、それでも遊撃手の柳澤君は、厳しいゴロでもしっかりと処理して堅実ぶりを示していた。

 最後は四球、四球と続いて盗塁と、暴投で終わってしまったものの、そこに至るまでは、試合としてはまとまった展開だったといってもいいのではないだろうか。連合チームも、とんでもないミスがあったというワケではなく、夏の期間にそれぞれの中できちんと練習してきたのだということは示すことできたのではないだろうか。

 都立杉並としては、田北監督も、「最後は絵にかいたような泥試合になってしまいましたけれども、あれはあんなコンディションでしょうがないと思います。そこまでの中で、きちんとやれていたと思いますよ」と、悪コンディションの中での戦いぶりについても、納得はしていた。

 確かに、9回の攻防はどちらにとっても、気の毒な状況だったという以外は、言いようのないものだった。

(文=手束 仁


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2015年秋季大会

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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