試合レポート

仙台育英vs仙台一

2015.08.27

新生・仙台育英が船出

完投した仙台育英・大崎 柊弥

 今夏の甲子園準優勝した仙台育英の新チームが初の公式戦に挑んだ。
雨の影響でシートノックはなし。8時33分にプレーボールした試合は、雨により2度、中断した。ゲームセットは12時30分。約4時間にも及んだ試合だったが、仙台育英が8対1の8回コールド勝ちを収めた。

 仙台育英の先発は背番号1を付ける2年生右腕・大崎 柊弥今夏の宮城大会ではベンチ入りしていたが、甲子園ではボールボーイだった。
大崎は1、2回を三者凡退に抑えたが、雨脚が強まった3回、一死から四球を出した後、2連打を浴びた。満塁とし、「初めてのピンチで焦った」と振り返ったが、後続を連続三振に切って取り、ピンチを脱した。4、5回も三振や内野ゴロで三者凡退と好投した。

 一方、攻撃は初回から機能した。1年生ながら甲子園でもヒットを放った1番・西巻 賢二がレフト前ヒットで出塁すると、2番・譜久村 慧斗が二塁打を放った。無死二、三塁で、3番・佐藤 達輝の二ゴロの間に西巻が先制のホームイン。4番・斎田 海斗のライト前タイムリーで2点目を奪った。
2回には二死二、三塁から西巻がセンター前に2点適時打を放った。

 3回以降はヒットで出塁するものの、タイムリーにつながらず、ゼロ行進。
「もっとピッチャーを回していきたかった。(仙台一の打線が)大崎に合っていなかったので、もう1点を取ったら交代するつもりだったが、もう1点が入らなかった」と佐々木 順一朗監督。

 点が入ったのは、8回裏。4点を奪ってサヨナラコールド勝ち。佐々木監督は他の投手陣にも経験を積ませたかったが、思い通りには進まず、大崎が完投した。

 20日に甲子園決勝を戦い、21日に帰仙した。本格的に新チームとして練習できたのは23日からだった。甲子園前には3年生対1、2年生で、3年生が甲子園に出発してからは1、2年生で紅白戦を行っており、実践感覚は養ってきた。しかし、対外試合経験は少ない。その上、セカンドの瀬戸 泰地主将、ショートの西巻は甲子園のメンバーに入っていたため、連携などに不安を残したまま試合に臨んだ。

 3年生は甲子園準優勝という置き土産を残した。
甲子園準優勝はあくまで3年生が作ってくれた結果。(この試合は)挑戦者という気持ちで臨んだ」と瀬戸主将。
佐々木監督も「3年生の技術を受け継ぐのは大変だけど、魂であるとか、気であるとか、そういうものは受け継げる。前のチームと比較をするのは大変。先輩たちのような試合はできないが、自分たちの試合を作っていくことはできる」と話した。

 新チームは始まったばかりで、まだ手探り状態。雨による計2時間3分の中断があった波乱の幕開けとなったが、2年生を中心とした新生・仙台育英は、どんなチームを作っていくのだろうか。

(文・高橋 昌江


関連記事
・2015年秋季大会特設ページ
・あの学校の取り組みは?!宮城県の野球部訪問を一挙紹介!

2015年秋季大会

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.22

【愛知・全三河大会】三河地区の強豪・愛知産大三河が復活の兆し!豊川を下した安城も機動力は脅威

2024.05.21

【関東】帝京が2発12得点のコールド勝ち、常総学院はセンバツV校に競り勝って4強入り<春季地区大会>

2024.05.21

【東海】中京大中京が20年ぶりに春の東海チャンピオンに輝く<春季地区大会>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.18

【秋田】明桜がサヨナラ、鹿角は逆転勝ちで8強進出、夏のシードを獲得<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>