試合レポート

都立昭和vs筑波大駒場

2015.03.15

ビッグイニングを作った昭和が、6回コールド勝ち

先制打を放った都立昭和・佐々木廣大君

 昨年秋季大会は代表決定戦で日大三に大敗した都立昭和。今春は何としても本大会に進出したいところである。

 2010(平成22)年の秋季大会ではベスト4進出(試合レポート)という実績もある。しかし現在は、学校が3年がかりの大改修工事にあたっており、今度の新3年生はほとんどグラウンドがない状態で活動してきたというのが現実である。
それでも、現在でも45人の部員がいるという大所帯である。そんなこともあって、全員が機会均等に練習をしていくとなると、テニスコート一面程度しか取れないという状況の中では、ほとんどティーバッティング以外の練習はできない状況だという。

 すぐ近くには大会でも使用している[stadium]昭島市民球場[/stadium]があるのだが、12~3月までは使用不可ということで、ことにオフの期間の練習は非常に厳しいというのが現状だった。4月からは週2回は練習できるようになるということである。そうなってくるとまた、守りの動きは違ってくるであろう。

 森勇二監督もそんな状況の中でチーム作りをしてきた。だから、春季大会のブロック予選となると、ほとんどぶっつけ本番に近い状態である。「ノックなんかもほとんどできない状況でしたから、エラーはある程度は仕方がないとも思っていました」と、ミスが出ることは覚悟をしてはいたようだ。

2015年度 春季高校野球大会 特設サイト
【ひとまとめ】2015年の全国各地の高校野球を占う!

12人で挑んだ筑波大駒場ナイン

 そんな状態ではあったが、やはり数多くの部員の中で競い合ってきているということで、選手個々の意識は高い。序盤は、相手の四死球や失策などでチャンスをもらいながら、タイムリーな場面でのあと一本が出ないという形で、1点ずつしか奪えずいくらか歯がゆい感じの試合展開ではあった。
しかし、4回に8番林君の中越三塁打から好機を作って、3番佐々木 廣大君の左中間二塁打や5番菅波君の右越二塁打など、やっと走者をためた場面で長打も出て、結局この回には打者10人で6点を奪いビッグイニングとした。

 さらに、6回には二死走者なしから2つの四球で走者をためると、ここ一番で起用したいという代打万代君が森監督の起用に応えて、中越二塁打して2者を返してコールドゲームとした。投手のところでの代打だったので、「打てなかったら打てなかったで、もう一人投げさせたい投手がいたんですけれどもね…」と、森監督は言っていたが、これに関しては嬉しい結果だったということなのだろう。

 投手は、藤江君が4イニングで1安打されて1失点、リリーフした森山君は2イニングで1安打無失点。まずまずの内容だったといっていいであろう。

 部員12人の筑波大駒場は、自分たちの限られた中で何とかしていこうという姿勢は窺われた。4番でエースの行友君と5番に入っている捕手の三浦のバッテリーがチームの中心なっているのだが、4回にはこの二人の連打が出るなどで1点を返して完封を逃れた。

(文=手束 仁

2015年度 春季高校野球大会 特設サイト
【ひとまとめ】2015年の全国各地の高校野球を占う!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.14

【春季東京都大会総括】日大三、二松学舎大附など強豪校がノーシードの波乱! 新基準バットでも9本塁打の帝京が驚異の打力で王者に

2024.05.14

【2024夏全国ノーシード校一覧】二松学舎大附、履正社、智辯学園、沖縄尚学などビッグネームがノーシードで夏に挑む

2024.05.14

広島「今季新戦力の現状通信簿」、新外国人の復活はなるか!?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.05.09

プロスカウトは190センチ超の大型投手、遊撃手、150キロ超右腕に熱視線!この春、浮上した逸材は?【ドラフト候補リスト・春季大会最新版】

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?