Interview

横浜DeNAベイスターズ 梶谷 隆幸選手(開星高校出身) 「2014年セ・リーグ盗塁王を獲得した秘密」

2014.12.16

 2013年は16本塁打を放ち、大ブレイクした梶谷 隆幸選手は、2014年は外野手に転向すると、守備範囲の広いプレーで観客を魅了。さらに、走塁でも、見事盗塁王に輝くなど、“足”でも注目を集めた一年となった。今回は、そんな梶谷選手に、走塁やスパイクのこだわり、また守備のポイントなどを教えていただきました。

盗塁王に輝いた梶谷選手が意識していること

――2014年のシーズン、盗塁王を獲得されましたが、一番印象に残っている場面はどんなところですか?

梶谷 隆幸選手(以下「梶谷」) 盗塁王を獲れたのは、“気持ち”だと思っています。20盗塁した時に、『あれ?このまま頑張れば盗塁王のチャンスがあるかも』と思ったんですが、その時、大島さん(中日ドラゴンズ)も19盗塁と、1個差で、それで『絶対、獲ってやる』と思って、スパートをかけました。

 そこは、すごい意識したというのは、ありますね。競っているほうが燃えますよね。それは、チームメイトでも、ライバルがいると負けたくないなと思いますし、2015年も出来るんであれば、獲り続けたいなと思っています。

――梶谷選手が、自分の走塁を振り返るために大切にしていることは、どんなことですか?

梶谷 僕は、歩数で自分の状態を確かめる時はありますし、あとは、何歩目でスライディングをするという時に、歩幅が合わない時は、足の疲れが出ている状態でもあるので、注意してやっています。

 また、歩数が合わない時はヘッドスライディングをするんですけど、ヘッドスライディングは危ないと言われていますよね。それでも、メジャーリーガーはみんなヘッドスライディングをしているので、かっこいいなという憧れはあるんですけど、僕は、歩数が合わないとき、距離が詰まり過ぎたり、遠すぎたりという時に、とっさの感覚的なものでヘッドスライディングに移るときは何回かありました。そういった部分でも歩数を意識しておくことはとても大事だと思うんです。

守備で求めるスピード

梶谷 隆幸選手(横浜DeNAベイスターズ)

――守備において一歩目のスタートを早く切るために大事にしていることはどんなことですか?

梶谷 常に僕は動くようにしています。(打球の)正面に入りすぎず、半身になって動きながら、バッターのインパクトに合わせるようにしています。あとは、反復練習ですね。前後の打球をノックで打ってもらって、体で覚える。そういった練習は、キャンプでも結構やりました。

 ただ、反復練習といいましたが、実は僕は、“量”だけの練習をするのは嫌いなんです。量を求めた練習は、疲れるだけだと思っていて、人間の集中力って絶対に長くはもたないので、練習量ではなくて、とにかく1球1球集中して、守備練習にしても、打撃練習にしても考えながらやっていきたいと思っています。

 よく打撃練習で、「1000スイングしろ」と言われて振ったりすることもありますが、それも、ただこなすのではなくて、1本1本意識を持って、練習をしたいという思いはずっとありましたね。

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スピードを生かす技術 Ver.3
[page_break:シーズン途中に変えて一気に加速した盗塁数 / 頑張る高校球児へメッセージ]

シーズン途中に変えて一気に加速した盗塁数

――梶谷選手はスピードを求めるために、スパイクにもこだわりはありますか?

梶谷 僕は、プロに入ってからもずっとミズノのスパイクを履いていますが、形や機能などは、ほとんど、いじっていないです。それくらいスパイクに不満もなく、ずっと使ってましたね。
今回、ようやくちょっと変えたんですけど、ややタイトめにフィット感を求めて、締まりめに作ってもらいました。あとは、歯の長さも試したりして、守備の時は歯を短めのスパイクに、走るときは長めのスパイクを使ったり、どっちがいいかなと両方試して使ったりもしました。

 結果的には、守備の時に、ひっかからないように短くしたんですけど、走ることにおいては、歯は長めのほうがよかったので、結局そっちを選んで使っています。

梶谷 隆幸選手(横浜DeNAベイスターズ)

――歯の長さを変えるだけで、プレーにも大きな影響があるのですね。

梶谷 歯が長い分、しっかり地面を捉えて走ってくれるので、すごくスムーズに一歩目が出るんです。土のグラウンドでも気にならないくらい一歩目が出るので、本当に走りやすいですね。やっぱり、走塁において、この『一歩目』って一番重要だと思うんです。土のグラウンドの[stadium]甲子園[/stadium]にしても、[stadium]マツダスタジアム[/stadium]にしても気にならないですね。

 あとは、影響という部分でいくと、2014年はシーズンの中盤に、タイトめのスパイクに変えて、歯も長いものに変えてから、そこから盗塁数が一気に伸び出したので、スパイクの力ってやっぱりあるなと感じました。ちょうど、その前に足をケガしたりして、数字が落ちていた時期だったので。タイトめのスパイクになったことで、靴の中で足がブレずにフィットして、走りやすくなりました。説明しづらいんですけど、いい感じで走れたんです。

 もちろん、2015年のシーズンも盗塁王を取れるように頑張りたいですね。

頑張る高校球児へメッセージ

梶谷 僕が大切にしていることは、毎日継続すること。嫌でも、家に帰ったらバット振るとか。
僕の場合は、父親に言われて、嫌々振っていた時もあったけど、それも良かったのかなって思います。自分が嫌だなと思う練習が出来る能力こそ、あとから力になると僕は思っています。

梶谷選手、ありがとうございました。
2015年も、梶谷選手の活躍も楽しみにしています。

梶谷選手の過去のインタビューはこちら!

第168回 横浜DeNAベイスターズ 梶谷 隆幸選手(2013年12月24日公開)


第220回 横浜DeNAベイスターズ 梶谷 隆幸選手【前編】(2014年10月29日公開)


第221回 横浜DeNAベイスターズ 梶谷 隆幸選手【後編】(2014年11月5日公開)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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