試合レポート

都立福生vs都立豊多摩

2014.09.22

1番畑中の思いを込めた一打で、追う豊多摩を振り切る!福生、都大会進出!

都立福生vs都立豊多摩 | 高校野球ドットコム

1番畑中(福生)

 「都立豊多摩さんには、自分たちが10点取らないと負けると思っていました」都立福生の高瀬監督は、試合後にそう振り返った。
この試合、先制した都立福生は、中盤で都立豊多摩に点を取られながらも、粘り強い野球で、最後まで試合をリードした。

 都立福生は、2回。
5番四宮、6番中尾が連続四球で出塁すると、7番松永の犠打で、一死二、三塁のチャンスを作る。続く、8番小山の内野安打で1点を先制。さらに、9番中島の犠打が安打となって、三走の中尾が生還。1番畑中も、センターへの飛球が相手のエラーを誘って、3点目を挙げる。

 3点を失った都立豊多摩は、4回表。一死から、5番岩倉がセカンドへの内野安打で出塁。犠打で二塁へ進むと、7番山本が中前適時打を放って、1点を返す。
しかし、都立福生もその裏すぐに取り返す。
9番中島が四球で出塁すると、1番畑中が犠打をきっちり決めて、一死二塁。

 3番渡部が、中越え三塁打を放って、1点を追加。さらに4番岡村の内野ゴロに失策が絡んで、三走の渡部が5点目のホームイン。

 都立豊多摩も、5回には、9番山﨑の代打・村上が、期待に応える中前打を放ってチャンスメイク。その後も、2番芝田、3番眞喜下、4番興那城の3連打で、この回、3点を返した都立豊多摩。4対5の1点差に詰め寄る。高瀬監督は、
「ヒットを打たれるのはしょうがないと思っていました。打ち勝つしかないと試合前から話していたので、点を取られても焦りはなかったです」そう振り返った。

 5回の整備が終わって迎えた6回表。
都立福生の打順は、1番畑中からだった。
この日は畑中は2回に中前打を放っているものの、これまでの試合では、1番打者として満足のいく結果を残すことが出来なかった。それでも、この打席では、これまでと気持ちが違った。
「5回裏に相手に点を取られて少しベンチが負けムードになっていました。整備が終わったあとということもあって、ここで先頭の自分が打って、流れを一気に持ってきたかった。絶対にこのメンバーで都大会に行きたい。その強い思いで打席に立ちました」


都立福生vs都立豊多摩 | 高校野球ドットコム

エース小山(福生)

 これまで1番打者として結果を出せなかった悔しさも乗せた畑中のスイング。打球は、レフトへの長打コースとなり、畑中は二塁へ到達。1点差に詰め寄られた嫌なムードを振り払う大きな一打を放った畑中。1番打者としての役目も果たした。
続く2番竹中がきっちり犠打を決めて、一死三塁に。3番渡部が四球で出塁すると、4番岡村は内野安打を放って、1点を追加。その後も、相手投手のけん制エラーから、二走の渡部が還って、7対4とリードを広げた都立福生

 流れを完全に掴んだ都立福生は、8回にも、4番岡村の適時打などから2点を追加。9対4と都立福生が大きくリードを広げる。
5点を追いかける都立豊多摩は9回表、一死から、1番代打・野谷がストレートの四球で出塁。2番芝田が左前打で続いて、一死一、二塁とチャンスを作る。打席には、この日2安打の3番眞喜下。
都立福生のエース小山は、「この場面が一番緊張しました」と投じた一球を眞喜下はセンターへと運ぶ。

 「長打気味のあたりでしたが、センターがよく取ってくれました」と、小山は最後の打者をセンターフライに打ち取って、3アウト。途中、1点差に追いつかれながらも小山が粘りの投球で、試合を締めた。
試合は、9対4で、都立福生都立豊多摩に勝利し、都大会進出を決めた。
勝利した都立福生の高瀬監督は、都大会に向けて、
「好球必打で、一試合ごとにチームとして成長していきたいです」と語った。都立福生の2年生たちにとっては、1年生の春季大会ぶりの都大会出場となる。持ち前の粘り強い打撃と守備を都大会でも発揮してほしい。

(文=安田未由

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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