【侍ジャパン18U代表】大阪桐蔭高等学校 峯本 匠選手
日本代表という高いレベルの中でもひときわ輝きを見せる峯本 匠(大阪桐蔭)の守備。今夏の甲子園でもかなり深めに守っているのが印象に残っている。努力と経験に支えられた峯本の強靭な守備力に迫る。
物怖じしない強靭な守備力
峯本 匠(大阪桐蔭)
本日の韓国との決勝戦。日本は惜しくも敗れた。
韓国がライバルである事は誰もが分かっている。
この大会の予選から見ているが、韓国は個々としても組織としても本当に強いチームだ。
昨日、日本が決勝進出を決めてからも日本選手の間では韓国の話題が出ていた。
『意識せざるをえない相手』そんなプレッシャーのかかる戦いでも普段通り出来るのがこの峯本だ。
本日の決勝戦でもセカンドゴロを2つさばいた。プレーがずば抜けて綺麗だ。この日本代表という高いレベルの中でも峯本の守備の動きは目を見張るものがある。
試合後峯本に話を聞いてみた。
まず守備範囲とポジショニングについてだが、今夏の甲子園でもかなり深めに守っている。これはアウトに出来る範囲を考えての守備範囲だそうだ。
一般の野手は自分がアウトに取れる範囲で守備位置を選ぶが、彼の場合は「相手との距離」をみて守備位置を選択している。
「出来る」と「取れる」は大きく違う。まるで現役時代の仁志敏久氏(現12U日本代表監督)を彷彿させる位置取りだ。かなりの自信と確信があり、そしてそこには並大抵の努力では到達出来ない程の努力を重ねてきただろう。
次にグラブさばきだが、峯本の一番の特徴は守備の動作に無駄が無い点だ。
詳しく言うとグラブが身体の近くに「常」にあるのだ。上手い選手はボールが勝手にグラブに入るように見えるし、簡単なバウンドで打球を処理出来ているように見える。これはひとえに身体の近くにグラブがあり足を運び、ギリギリまでボールの軌道を見てから対応できるからだ。だから無駄が無くキレイにそして早い処理が出来る。
この技術は大阪桐蔭のOBである岩下氏から教わったと言っていた。
先輩から後輩へ受け継がれる技術、大阪桐蔭の強みを改めて実感した。
また本日の試合で同点の機会で日本が仕掛けたスクイズの際、三塁ランナーはヒットで出塁をしていた峯本だった。
「外された、届かない(と感じた)」と言ってくれた。残念ながら戻りきれずにアウトになってしまったが、この『見極めること』も一つの技術と言えるだろう。野球感の高い選手だ。
決勝という舞台で好守に自分のできるプレーを存分に発揮した峯本。しかし、「試合に負けた悔しさはある」そうはっきりと言い切った。悔しさは次のステップで晴らすしかない。
一方で、上手い選手と一緒にできた事に対して「日本代表に選ばれて良かった」と話した。
試合に負けた悔しさと、レベルの高いところで野球ができた喜び。この代表経験を通じて彼は成長するための何かを学んだことだろう。
峯本匠。
今後の活躍が本当に楽しみだ。
(文・南乃啓之介)
【試合レポート】韓国vs日本(2014年9月06日)