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第96回全国高等学校野球選手権鹿児島大会 展望

2014.06.24

 第96回全国高校野球選手権鹿児島大会の組み合わせ抽選会が6月21日に行われた。今春鹿児島大会と5月のNHK旗を制した鹿屋中央が第1シード、センバツ出場の神村学園が第2シードになり、以下、鹿児島大島、鹿児島城西樟南鹿児島玉龍鹿児島実れいめいがシードされ、出場77チームの対戦カードが決まった。
 今年の鹿児島は鹿屋中央神村学園が実績、戦力の面で一歩抜けている印象がある。ただ例年に比べると絶対的なエースを擁する投手力の充実したチームが少ない分、攻撃力が勝敗のカギを握る試合が増えそうだ。大会開幕日は7月5日。今年も熱戦がスタートする。ここで大会を4ブロックに分けてそれぞれのブロックの見どころを紹介していく。

Aブロック 鹿屋中央、れいめいなどが集まる

七島拓哉(鹿屋中央)

 第1シード鹿屋中央が戦力的に抜けているが、実力校がそろっており、激戦区パートといえそうだ。

 鹿屋中央はエース七島拓哉(3年)に加え、左腕・米澤佑弥(3年)、右腕・空地大成(3年)が成長し、投手起用に厚みができた。吐合駿一郎(3年)、木原智史(3年)のいる中軸も勝負強く、大隅半島から初の夏の甲子園を狙う戦力は整った。

 北薩の雄・れいめいは春、HNK旗の8強入りで第8シードに選出。攻撃力では県下トップクラスの力を秘める。昨秋準優勝の指宿商はエース村山孝輔(3年)の出来がカギを握る。

 出水中央鹿児島工徳之島大口、鹿児島川内対加世田と初戦の好カードも目白押し。今春8強の奄美、左打線が特徴的な鶴丸も面白い存在だ。

Bブロック シードの鹿児島城西と樟南は序盤から実力校と当たり苦戦必至か

大谷真平(樟南)

 第4シード鹿児島城西、第5シード樟南とも、それぞれ鹿児島松陽対枕崎加治木工鹿児島の勝者と当たる初戦が大きなヤマ場といえる。

 鹿児島城西昨秋今春と連続4強と安定した成績を残しているが、決勝に進めていない悔しさを夏にぶつける。小原海斗(3年)、宮脇佳祐(3年)、山元学(3年)の上位打線は俊足ぞろいで、機動力を生かした攻撃が持ち味。

 連覇を目指す樟南大谷真平(3年)、高田大輔(3年)ら好打者がそろい、高い攻撃力を秘める。反面、投手力が今一つで上位に勝ち上がれていない。夏は柱になるエースが出てくるかがカギになりそう。

 4強で自信をつけた鹿児島情報、経験豊富な選手がそろう国分中央、好投手を擁する鹿児島水産、粘り強さが持ち味の志布志なども上位進出を虎視眈々と狙う。

第96回全国高等学校野球選手権記念大会 特設ページ

Cブロック 春夏連続出場狙う大島と金星狙う鹿児島玉龍

小野浩之介(大島)

 選抜大会以降、調子の上がらなかった鹿児島大島はNHK旗で4強入りして、第3シードに入った。重原龍成(3年)、小野浩之介(3年)らを擁する打線は全国でも通用する力を持つ。投手陣も前山優樹(3年)、渡秀太(1年)らが成長したが、春夏連続甲子園のためには肩の故障で選抜大会以降は登板のない左腕・福永翔(3年)の復帰が待たれる。

 に14年ぶりの決勝進出を果たした鹿児島玉龍は粘り強さが身上。内田悠亮(2年)、大山弘聖(3年)の両右腕の継投でリズムを作り、1点差ゲーム、延長戦をことごとくものにして古豪復活ののろしを春に上げた。NHK旗4強の伊集院は好投手・德永翔太(3年)を擁し、実力的にはシード校に引けを取らない。

 名門・鹿児島商昨夏4強の鹿屋工は2回戦の好カード。夏に安定した力を発揮する鹿児島南もチェックしておきたいチームだ。

鹿屋川内商工などもスキあらば上位に食い込む力はある。

Dブロック 頭ひとつ抜けた鹿実と神村学園が有力

仲山晃輝(神村学園)

 第2シード神村学園、第7シード鹿児島実が力的には抜けている。

 神村学園仲山晃輝(3年)、山本卓弥(2年)、小島千聖(3年)、豊田翔吾(2年)と好打者がそろい、全国レベルの攻撃力を持つ。投手陣はエース東務大(3年)が安定しており、控え投手陣も実戦経験を豊富積んでおり、どんなパターンの継投でもこなす。昨秋から指揮をとる小田大介新監督のもとで、2年ぶりの夏と春夏連続甲子園に挑む。

 鹿児島実はスタメンに6、7人並ぶ左打線が特徴的。成長著しい松原一成(3年)やエース藤丸諒(3年)らがその核になる。

 この1年は神村学園鹿屋中央と強豪チームに惜敗しており、その雪辱を夏にかける。

 昨夏からの経験者を豊富に擁する武岡台や、春に鹿児島工と打ち合った種子島、昨夏は初戦で涙をのんだ尚志館などは高いポテンシャルを秘めている。鹿児島甲南、出水などの県立勢がどれだけ意地をみせられるかも着目したい。

■2014年 第96回鹿児島大会組み合わせ表(鹿児島県高野連HP)

応援メッセージはこちらよりご覧ください

(文=政純 一郎

 

第96回全国高等学校野球選手権記念大会 特設ページ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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