郁文館vs成城
今日は満点の投球！郁文館・大島良介が5回完封！
郁文館・大島良介
この試合、最も光っていたのが郁文館の先発・大島 良介だ。
177センチ69キロ。手足が長く、すらっとした投手体型をした左腕投手である。ノーワインドアップからゆったりと始動し、右足を高々と上げて、バランス良く立ち、身体を沈み込ませてインステップ気味に踏み出す。内回りの回旋で左腕をトップに持っていき、打者寄りで離す。ストレートは125キロ～130キロは出ているだろう。いずれはもっと速くなりそうで、常時135キロ～140キロも期待できる左腕である。
その大島の立ち上がり。制球に気を付け、慎重な立ち上がりだったが、尻上がりに調子を上げていった。
キレのあるストレートに加え、何よりも内外角へきっちりとコントロールされていることだ。また打者の手元で鋭く落ちるカーブの切れも良い。5回を投げて被安打は3本、5奪三振の快投だった。
投げた大島本人が、「今日は自分でも素晴らしいと感じるぐらいの出来でした」自画自賛するほどの出来。投げていて楽しかっただろう。
この試合は5回で終わったが、9回まで投げれば、「完封勝利出来たと思います」と笑顔を見せた。
目指す投手像として杉内 俊哉(巨人)を挙げた。出所が見難く、球速表示以上のストレートにチェンジアップ、カーブで翻弄する杉内に憧れる高校生は非常に多いが、大島はストレートのキレ、カーブの切れ、出所の見難いフォームといい、杉内を模倣して実力を伸ばしている。まだ新2年生、今後は東京で名を知られる左腕へと成長を遂げていくか注目だ。
成城の先発・岩滝
一方、打線は10得点を入れて、5回コールド勝ち。
郁文館はなんとスタメン9人を左打者に並べた。その狙いを、「もちろん右打者もいますけど、各選手の調子具合を考えて、今日はこのオーダーになりました」と話す郁文館・佐々木圭監督。
成城の先発・岩滝は右投手。このオーダーはぴったりとはまり、初回から6安打を集中し、5点を先制。さらに3回裏には先発した大島が中越え三塁打などでて3得点を追加し試合を優位に進めた。また大島は打撃でも大暴れ。4回裏にも打点付きの内野ゴロを打ち、3打数2安打4打点と大活躍を見せていた。
5回まで10得点の内容に佐々木監督は、
「練習中では良く当たっていたんですけど、なかなか公式戦が当たりが出なかったので、ようやくですが、練習中の打撃を公式戦で発揮してくれました」
打撃陣の活躍を評価していた。この日は背番号1の佐藤を温存させての勝利。打線は上位下位まで切れ目のない打線で、投手陣も佐藤、大島の2人が軸となり、投打で技量が高い選手が揃う。本大会では躍進が期待できるチームになりそうだ。
（文＝河嶋 宗一）
