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第86回選抜高校野球大会の選考を振り返る【東海、北信越 編】

2014.01.25

第85回選抜の選考を振り返る【21世紀枠 編】

東海、北信越地区 出場校一覧

選抜大会 (参考)選手権大会
地区 区分 高校名 都道府県 出場回数 過去の戦績 出場回数 過去の戦績
北信越
(2枠)
私立 日本文理 新潟 3年ぶり5回目 3勝4敗 7 4勝7敗(準優勝1)
私立 東海大三 長野 15年ぶり3回目 1勝2敗 1 0勝1敗
東海
(2枠)
私立 豊川 愛知 初出場
私立 三重 三重 2年ぶり12回目(夏春連続) 13勝10敗(優勝1) 11 7勝11敗

東海地区 枠2・候補校12

悲願の甲子園出場を果たした豊川(愛知)

■ 三重
夏の選手権大会を経験した左腕投手・今井重太朗と、長野勇斗内田蓮宇都宮東真世古錬を軸とした打線が噛み合った。豊川との決勝では苦戦したが、相手守備陣のミスにつけ込んで逆転し、優勝を果たした。エースの今井は130キロ台の直球と、カーブ、チェンジアップなどの変化球の腕の振りが変わらないという長所を生かして、東海大会全試合を完投に結び付けた。打線は相手投手の変化球にも崩されず、上位から下位までどこからまで得点できる切れ目のなさが際立った。課題としてはやや不安な面が見られた守備力の整備が挙げられた。

■ 豊川
決勝では8回に逆転されたが、チーム力は優勝した三重に引けを取らないと評価された。特にエースの田中空良は、東海大会で全試合完投しスタミナが十分。140キロ台の直球、125キロのスライダーにスローカーブと躍動感溢れる投球を披露。与えた四死球が1試合当たり2個と安定があり、大会を代表する投手だった。堅実さが目立った守備は決勝での2失策が悔やまれる所であった。打線は中村胤哉氷見泰介主将、高桑平士郎を軸に1試合平均10安打と投打のバランスが取れていた。春夏通じて初の甲子園に推された。

補欠1位 静岡
補欠2位 静岡商

補欠1位の静岡については、準決勝で豊川にサヨナラ負けしたが試合内容は互角で、「失策絡みで失点したのが悔やまれる」と片岡成夫委員長は夏へ向けての奮起に期待することを語った。

北信越地区 枠2・候補校15

最初に、地区のレベルアップが近年は顕著で、僅差で内容が充実した大会だったと総括した。

■ 日本文理
しぶとく粘り強い戦いで、準決勝と決勝の2試合連続延長サヨナラ勝ちを果たした。エース右腕の飯塚悟史は全4試合を完投。身長185センチでオーバーハンドから130キロ台後半の直球とスライダーを主体に粘り強く投げ切った。ただ、立ち上がりの不安定さの克服が今後の課題として挙げられた。攻撃では星兼太、2試合連続サヨナラ打の5番池田貴将主将を中心に、コースに逆らわない巧打と勝負強さが選考委員の印象に強く残った。守備では準決勝の地球環境戦で4失策してしまったが、遊撃手の黒䑓騎士を中心に全体てきにまとまっている。

■ 東海大三
ベスト4の地球環境北陸、ベスト8の新潟明訓との4校で比較検討。その結果、決勝で日本文理に延長でサヨナラ負けしたものの、内容的には優勝校と甲乙つけがたいとして、準優勝の実績で2校目の選出となった。エースの高井ジュリアンは、直球、カーブ、スライダーをコントロール良く投げ分け、3試合で与えた四死球が3という投球と、守備も4試合で失策0の内容が「見事」と片岡成夫委員長は話した。攻撃では1番で主将の小林健二がシュアな打撃でチームを引っ張り、数少ないチャンスを得点に結び付けた。

補欠1位 地球環境
補欠2位 新潟明訓

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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