試合レポート

村上桜ヶ丘vs新潟明訓

2013.07.24

春王者の貫禄、村上桜ヶ丘準決勝進出

ベスト8が決定から1日開け、予定通り日曜日に4試合が行われることになった新潟県予選準々決勝。朝から厚手の雲におおわれ、いつ雨が降りだしてもおかしくない天候にもかかわらず、舞台となるHARD OFF ECOスタジアム新潟には朝早くから多くの高校野球ファンが集まった。試合は4試合とも1点を争う好ゲームとなり、球場に詰めかけた人々は手に汗握る熱戦の行方を最後まで見守った。

第1試合に登場したのは、春の王者・村上桜ヶ丘と強力打線を武器にここまで勝ち上がってきた実力校・新潟明訓新潟明訓の先発は2年生エースの村山 賢人 (2年)。その立ち上がり、いきなり2つの四球でピンチを迎えるも、四番・野澤和希(3年)を遊ゴロ併殺打に仕留め、初回を無失点で乗り切る。一方の村上桜ヶ丘先発のエース・椎野新(3年)は初回、二番・本間辰吉(3年)にヒットを許すも後続を打ち取り、無難な立ち上がりを見せる。二回表、村上桜ヶ丘はヒットと四球、送りバントで一死二、三塁のチャンスを迎えるが、八番・椎野新、九番・秋山蓮矢(3年)が倒れ無得点に終わる。試合が動いたのは三回表、先頭の須戸吉隆(三年)がエラーで出塁すると送りバントなどでランナーを進め、二死三塁のチャンスを迎える。

ここで四番・野澤和希がショートへタイムリー内野安打を放ち、村上桜ヶ丘が1点を先制。続く五番・河内(三年)もセンターオーバー二塁打を放ち、一塁ランナー・野澤が長駆ホームイン。リードを2点に広げる。援護をもらった椎野は三回以降、緩急自在のピッチングで新潟明訓打線を寄せ付けない。一方村山も、ランナーは出すものの要所を締め、追加点を許さない。緊迫した両エースの投げ合いは続き、スコアボードに0を並べる。結局、そのまま新潟明訓打線に的を絞らせず、三回以降無安打に抑えた椎野の活躍で、2対0で村上桜ヶ丘が勝利し、準決勝進出一番乗りを決めた。

[page_break:この試合のエキサイティングプレイヤーはこの選手!]

エキサイティングプレイヤー 椎野新

椎野新村上桜ヶ丘・三年)

身長195センチ。高身長と長い手足を生かした躍動感のあるフォームで投げ込む力強い直球はNPBスカウトも視察に訪れるほど注目を集めている。試合はこの椎野が 準々決勝まで3試合で39安打を放ってきた破壊力抜群の新潟明訓打線をどう抑えるのかが大きなポイントだった。

この日のMAXは138キロ。だが数字以上に伸びのある直球とスライダーをうまく使い、強力打線を封じ込める。中でも圧巻だったのが、試合前まで10打数10安打2本塁打と大当たりしていた四番・高田大輝(三年)との対戦。一打席目はカウント0-2からの三球目を変化球で見逃し三振。二打席目はスイングアウトで三振を奪うなど、三打数無安打に抑えこんだ。

春の大会以降、練習試合などで何度か椎野のピッチングを目にする機会があったのだが、多くの成長を感じた。中でも特筆すべきは無四球、球数もわずか100球という大人のピッチングを見せたこと。とかく四球やエラーが絡んでの失点が多い高校野球でこの点は大きく評価できるだろう。“桜のダル”がこの夏どこまでいけるのか、楽しみだ。

(文:編集部)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.28

春の福岡地区を制した沖学園(福岡)、勝利のカギは異例の「決勝直前沖縄合宿」だった

2024.05.28

【大分】佐伯鶴城は4戦3勝、杵築は4戦で1勝<強化試合>

2024.05.28

【鹿児島NHK選抜大会】川内商工が2試合連続逆転サヨナラ勝ち!雨のため2試合が継続試合

2024.05.28

【鹿児島NHK選抜大会】錦江湾が1点差勝利!出水工の追い上げ、あと1点及ばず

2024.05.28

【北海道】北海が逆転勝利、27連勝で4季連続V達成<春季全道大会>

2024.05.25

【関東】白鷗大足利が初、逆転サヨナラの常総学院は15年ぶり決勝<春季地区大会>

2024.05.25

【熊本】九州学院、熊本工が決勝へ<NHK旗>

2024.05.25

首都2部優勝の武蔵大の新入生に浦和学院の大型左腕、左の強打者、昌平の主軸打者など埼玉の強豪校の逸材が入部!

2024.05.25

【岩手】盛岡大附がサヨナラ、花巻東がコールドで決勝進出、東北大会出場へ<春季大会>

2024.05.26

【春季関東大会】常総学院・中村虎汰郎が二刀流の活躍で決勝進出に貢献!9回にはサヨナラに繋がるヒット!投手としてはセンバツ後に再転向で連日の好リリーフ!

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商