文徳vs宮崎日大
本田 建都(文徳)完全試合達成
文徳エース本田建都が完全試合達成
試合前、こんな結末が待っているとは誰も予想していなかった。バックネット裏にかけつけたプロのスカウトも、宮崎日大エース・甲斐翼の登板を期待していた。
宮崎日大は、今大会から右のエース格に成長した背番号8の平田が先発。左のエース甲斐翼は1番センターで先発出場。背番号1のエースが1番最初に打席に入るという珍しい光景で試合が始まった。文徳先発はエース本田建都。初回から、打者の手元で曲がるスライダーを上手く使い、コーナーを丁寧について打たせてとるピッチング。序盤は毎回3者凡退に抑え、完璧の立ち上がりをみせた。
試合が動いたのは、4回。文徳7番の須頭が、二死二塁からセンター前へタイムリーを放ち1点を先制した。すると、宮崎日大は2年生投手栗山に交代。栗山は、打者8人から5三振を奪う好投で文徳に追加点を許さない。
栗山を援護したい宮崎日大打線は、回を重ねても文徳・本田をとらえることができない。バタバタと三振に倒れるわけではなく、バットには当たるが、まともに芯でとらえることができない。
そして、打球が文徳野手の間に抜けることもポテンになることも無い。また、ヒットが打てないどころか、四死球でも出塁が出来ない。
この事実を知っている記者や、観客が徐々にざわついていく。
宮崎日大は終盤、セフティーバントで揺さぶりをかけたり、エース甲斐翼を7回から登板させたりするが、文徳エースの本田建都が立ちふさがり、流れを一切掴むことができないまま9回表二死無塁へ。
文徳 本田建都は、27人目の打者を三振でしとめた。完全試合達成。9回を打者27、投球数88、被安打0、四死球0、奪三振6、失点0のパーフェクト。また、打者21人の打球を無失策でさばいた文徳守備陣の堅さも光った。
文徳の平井洋介監督も「完全試合を初めてみた」と、頬を緩めるほどの大記録で勝利した文徳がベスト4入りを果たした。
(写真=三角竜之)