東京都高校野球研究会 「環境に応じたチーム作り」
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有力都立校3監督が語る、それぞれの思い
毎年、12月のこの時期の恒例行事の一つとなっている、高校野球研究会が9日に都立青山高校の5階ホールで開催された。
これは、主に東京都の都立高校で野球を指導する教員たちが中心になって、自分たちの指導法などをチームを越えて話し合い、お互いに研究しあうというところから始まったものである。参加者は、都立校の指導者のみにとどまらず、同じように恵まれない環境で試行錯誤しながらやっている私立や、近隣県の指導者も参加している。
「異文化との融合」片倉・宮本秀樹監督
片倉・宮本秀樹監督
今年は、28回目となったが、この夏、東西・東京大会で上位進出を果たした片倉・宮本秀樹監督、小山台・福嶋正信監督、都立日野・嶋田雅之監督の3人が、「環境に応じた、チーム作り」というテーマで、それぞれのチーム作りへの考え方を述べるという形で行われた。
宮本監督は、私立強豪校からの転校生が入って来たことで、「異文化との融合」でチームに刺激が与えられたことが好結果につながったのではと、今年のチームを振り返った。また、春から、夏に向けては「このままではいけないだろう」と判断して、主将を代えたり、投手の継投を工夫したり、色々といじってみたことの成果もあったのだと述べていた。
「心の環境が変わればすべてが変わる」小山台・福嶋正信監督
熱く語る小山台・福嶋正信監督
福嶋監督は、この会の発足当時からのメンバーでもあり、この会の成り立ちから自身の指導者としての歩みなどを語り、特に小山台では特徴的になっている「野球日誌」の重要性を説いた。
そして、下校時刻が早くて練習時間が短いことに対しても、「甲子園を本気で狙う学校としては、日本で一番長く、個人練習の出来るチームなんだ」という、考え方を浸透させていく意識の大事さを熱く語った。「心の環境が変わればすべてが変わる」ということを力説し、「環境=監督」であると断言した。
「尊敬する仰木彬監督のスタイル」日野・嶋田雅之監督
日野・嶋田雅之監督
嶋田監督は、「私が尊敬しているのは仰木(彬)監督のスタイルである」とした上で、「野球で一番楽しいのは打つことなのだから、その練習時間を出来る限り確保してあげるのだ」という方針を述べた。さらには、いかに明るく、前向きに取り組んでいくことが出来るのかという意識の重要性と、体が強くなくては何もできないという考え方で、体力作りの大事さを語った。
また、練習試合などの交流から、他校のメニューでも、いいと思ったものはどんどん取り入れていくという姿勢も明かした。
(文・手束仁)
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