試合レポート

上田西vs新潟県央工

2012.10.15

上田西vs新潟県央工 | 高校野球ドットコム

先制のホームを踏む武田竜樹(上田西)

超俊足の1番バッターが駆けまわる

上田西新潟県央工。前日(13日)に延長15回を戦い引き分けた両チームの再試合。
前日のような得点を取りきれない展開が続くのか、それともまったく違った展開になるのか。再試合は色んな形が想像できるが、終わってみれば立ち上がりでゲームの流れは決まってしまった。

1回表、「初回が勝負だと思っていた」という1番武田竜樹(2年)がライトオーバーの三塁打を放つ。「ヨシッ!」と塁上でガッツポーズを見せる武田に、後続が乗った。
2番荒井圭佑(2年)が初球をライトに打ち返し犠牲フライ。武田が本塁を駆け抜け、上田西が先取点を奪った。

さらに3番小崎脩造(2年)が三塁打を放ち、4番佐藤辰徳(2年)のファーストゴロがフィルダースチョイスとなって2点目。5番大塚雅也(2年)がヒットで続くと、6番浦野峻汰、7番近藤卓也(ともに2年)が連続タイムリーを放つ。8番土肥準弥(2年)の内野ゴロの間にもう1点を挙げて、このイニング5得点。

再試合の先手を奪っただけでなく、最高の形でビッグイニングに繋げた上田西。逆に新潟県央工の鈴木春樹監督は、「昨日の試合で決めきれなかった思いが、(立ち上がりに)出てしまったのかな」と振り返った。

その裏、新潟県央工は1番赤塚悠真(2年)がストレートの四球で出塁。取り返すには絶好のチャンスだったが、2番市川晃司(2年)の送りバントをピッチャーの浦野が好フィールディング。ダブルプレーを完成させて、苦しい立ち上がりから一転して波に乗った。

2回以降は前日の流れに近づき、中々得点が入らない展開に。
新潟県央工は4回途中からエースナンバーの小林賢(2年)がリリーフし、上田西も1点を失った後の5回から、背番号18の柳澤和希(2年)が後を引き継いだ。

お互い、チャンスを作りながら取りきれない展開は終盤へ。そして勝負を決める1点を奪ったのは上田西だった。
8回、二死走者なしから9番外谷健人(2年)が左中間を破る三塁打。続く1番武田がセンターへ二塁打を放ち、外谷が生還。1回の先制攻撃の時と同様に塁上で渾身のガッツポーズを見せた。

4回の出塁時には二盗、三盗を決めている武田。50メートル走5秒68という俊足は、塁に出ると威力を増す。
「自分が塁を駆けまわると、チームは勝っていることが多い」と話すほど走塁に対する自信は大きい。中学時代から腰椎分離症を抱え、試合中も腰にはコルセットを巻いているが、走っている時はそれをまったく感じさせない。

再試合を会心の形でモノにした上田西。三連戦で体力的には厳しいが、星稜との準々決勝もドンドン走り回れるか、注目だ。

                上田西 TEAM       新潟県央工業(主将:山岸蓮次)
守備位置 氏名 打順 守備位置 氏名
武田 竜樹 1番 赤塚 悠真
荒井 圭佑 2番 市川 晃司
小崎 脩造 3番 伊藤 陽
佐藤 辰徳 4番 上野 純矢
大塚 雅也(主将) 5番 小成 優斗
浦野 峻汰 6番 加藤 一真
近藤 卓也 7番 本宮 嵩大
土肥 準弥 8番 村山 大地
外谷 健人 9番 斎藤 涼太

(文・写真=松倉雄太

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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