千葉明徳vs鎌ヶ谷西
千葉明徳・畠山君
千葉明徳、バッテリーに安定感
2009年の春季県大会に初優勝した千葉明徳。それを一つの切っ掛けにしたかのように、このところ安定した実績を残している県内強豪校の一角に食い込んできた。この秋の新チームも、バッテリーを中心に充実しているという印象を与えてくれた。
左腕畠山投手は1年生だがしなやかな左腕で、ストレートも低めのボールがぐんと伸びてくる感じだ。また、タテのスライダーも鋭く、そうは打たれないだろうという印象だ。事実、夏休みの練習試合でも、東北や東海大山形、県内の東海大望洋といった甲子園経験ある強豪校に対しても、それほど点を取られていないという。また、畠山君の持ち味を引き出している小田君のリードもいい。
小田君は、変化球の使い方などインサイドワークのよさもさることながら、捕ってからの送球の早さや、ホームベース周りのボール処理の動きなども素早く、捕手としての資質の高さが窺われる。また、打っても四番で、初回に先制三塁打を放つなど、この試合では2安打3打点。
それでも宮内一成監督は、「5回、せっかく満塁で回ってきているんだから、あそこで一本打ってコールドを決めて欲しかったですね」と厳しい。もちろん、厳しさは期待の表れでもあるということなのだが、特にバッテリーの力に比べると、打線に不安があるだけにきちんと得点出来る時に取っておいて欲しかったという気持ちもあったのだろう。このあたりが課題の一つとなっている。
宮内監督としては、「あまり打てるチームではありませんから、目立たないかもしれないですけれども、密かに(上位進出を)狙っています」と、十分の手ごたえは感じているようだ。この試合では、そんな指揮官の思いを裏付けるには十分だった。5回を投げた畠山君の後、1イニング投げた藤村君も良い球を見せていたし、もう一人高市君という投手にも期待しているという。いずれも1年生の投手ということで、夏の練習試合では、あえて1年生だけで先発メンバーを組むなどして、2年生に刺激を与えるという荒療治も、効いたのかもしれない。そんな成果を試すべく県大会へ、満を持しての出場を決めた。
鎌ヶ谷西は、先発酒井君が立ち上がりに武井君にいきなりのヒットを浴びて、さらにバントも安打になってしまうなどで動揺してしまった。そのチームの気持ちの乱れを最後まで修正できないまま、ズルズルとコールドに持っていかれたという感じだった。
(文=手束仁)