試合レポート

相模原vs上鶴間

2012.07.12

新体制での夏初戦。接戦を制す

ともに相模原市に学校がある県立校同士の対決は、相模原が3対1で上鶴間をくだし、2回戦に進んだ。

春からさまざまな改革をしてきた相模原
川崎北で07年秋ベスト4、08年夏ベスト8など、実績を挙げた佐相眞澄監督が今春、相模原の部長に就任。
バッティング指導に定評があり、相模原でも夏までの3か月でバッティング中心に指導を行った。150キロ近いスピードが出るピッチングマシンを購入するなど、ハード面の整備にも力を注いだ。
「打てなければ私学(私立高校)には勝てない」と川崎北時代から話していたが、そのスタンスは相模原でも変わっていない。

相模原は1回表に強攻策でチャンスを作った。
先頭の川崎智佑喜がヒットで出塁すると、2番中村健一郎がバスターエンドランを成功し、無死一、三塁。
試合後、「練習してきた策」と、佐相部長は期待に応えた選手をたたえた。
そのあと、上鶴間のエース・岩佐新太の暴投で1点を先制。結果的に、バスターエンドランが先制点につながった。

中盤はこの1点をしのぐ展開となった。
右スリークォーターのエース中村が、再三ピンチを背負うも、ストレートとスライダーのコンビネーションでしのいだ。

すると、5回裏、相模原は中村から背番号11の右腕・鈴木健悟にスイッチ。思い切った策だったが、「中村がつかまりはじめていた。はじめから考えていた継投」(佐相部長)とプランどおりの交代策だった。


だが、鈴木が苦しむ。
5回には2アウト満塁を何とか無失点で切り抜けるも、6回には二死一、三塁のピンチ。ここで、上鶴間はここまで2安打の高橋佑太にかえて、背番号14の柴崎裕を代打に送った。
柴崎は甘く入ったスライダーを見事にとらえ、左中間への同点タイムリー。そのまま、左中間を破れば、一塁ランナーもホームに戻っていたが、レフトの石川拓也がダイビングキャッチでゴロを好捕。シングルヒットに食い止めた。
二番手の鈴木は、続く石田亮に四球を与えると、佐相部長はファーストに下がっていた中村を再びマウンドへ。「練習試合で1回しかやっていない」という中村、鈴木、中村の継投策だったが、中村がしっかりと仕事を果たして空振りの三振。1対1で終盤にもつれこんだ。

7回表、途中から守りに入った野田和志がセンター前のクリーンヒットで出塁すると、デッドボールとフォアボールなどで、2アウト満塁。
打席にはピッチャーの中村が入った。中村は初球のストライクを積極的に振ると、打球は三遊間へ。サードが追い付くもグラブからこぼれ、2点が入る内野安打に。3対1と勝ち越しに成功した。
二度目のマウンドに上がった中村は、7回以降1安打の好投でしのぎ、ゲームを締めた。

磨いてきたバッティングは、上鶴間・岩佐の緩急の前に3点に抑えられた。100キロ前後の緩いカーブに手をやき、思ったように打線がつながらなかった点を次戦にどう生かしていくか。
一方で、成果が見えたのが外野のポジショニングだ。キャッチャーの配球、打者のバッティング傾向を見て、守備位置を細かく変更。ライト線、レフト線に飛んだ打球を、正面で捕るシーンが3度ほどあった。
「あんなにポジショニングが当たるとは思わなかったです」と、ショートの川崎が振り返った。
2回戦では関東学院と対戦。大会前の練習試合では、ともにベストメンバーではなかったが、相模原が打ち勝っている。

一方、敗れた上鶴間は、岩佐が緩急をいかしたピッチングでリズムを作るも、チャンスであと1本が出ず12残塁。昨年に続く初戦突破はならなかった。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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