Column

B2タイプ打者編

2012.05.03

廣戸聡一の4スタンス理論

B2タイプの選手は、あらゆる動作を無意識のうちに掌やかかと、かつその外側でバランスをとっています。また、股関節と肩を対角線的に扱うクロスタイプであり、並進運動を伴いながらも後ろの軸でボールを捕らえるようなスイングをします。
プロ選手でいうと松井秀喜選手、T-岡田選手、中村剛也選手などがこのタイプです。

今回も、それぞれの重要な局面ごとにポイントを整理してみましょう。

B2タイプのお手本といえるのが中村剛也(埼玉西武ライオンズ)(イラスト:大谷 恵里子

構え

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※こちらの詳しいイメージはPCからご覧ください。

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手のひらをフィットさせ中指・薬指でバットを握り、手首をしっかりとコックさせる。肘はやや締めるような感覚にし、後ろ側の足首、ひざ、股関節、首の付け根を揃えて構える

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テークバック

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※こちらの詳しいイメージはPCからご覧ください。

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投手側の肩と対角線側の股関節を縮める意識でバットを引き、ベルトラインと水平にテークバックをする。投手側の手(右打者なら左手)でバットを押し込んでいくイメージを持つ

インパクト

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捕手側の肩と投手側の股関節を縮めるように体重移動を行う。後側に運動軸をつくりつつ、沈み込むようなイメージでインパクトする。軌道はダウンスイングのように見える

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フォロースルー

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※こちらの詳しいイメージはPCからご覧ください。

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コンパクトに肘を巻き込むような形でフォロースルー。後ろの軸で打つため、前足がめくれるようになることもある。反動でバットが戻ってくるのもB2タイプの特徴となる

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B2タイプのお手本、中村剛也(埼玉西武ライオンズ)から学べ!

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昨シーズン、反発力が落ちたボールでも関係なく本塁打を量産した中村剛也選手。見た目にはそれほどの力感もなく、軽くバットを振っているようにも見えます。その秘密はB2ならではの上半身の使い方にありました。

まず、構えから特徴が見えます。背中を反らずに柔らかく懐をつくり、ろっ骨の下に左肘をピタリと合わせます。バットを握るのも、ムダな力を省いています。その後のテークバックでも上半身を柔軟に使いながら、体幹を圧縮させ、振り出しに備えます。上げた足が地面についてから遅れてバットが出てくるのもB2の特徴。いわゆるインサイドアウトのバット軌道も、一番出てきやすいのがこのタイプです。

特筆すべきはここから。インパクト、フォロースルーとバットを振っている間、常に肘が体から独立して動くことがないのです。B2の体幹の使い方とマッチし、肘が最後までまとわりつくような型ができているために、パワーロスをすることなくボールを捕らえています。この結果があのような「力感のない」本塁打を生んでいるのです。

また余談ですが、T-岡田選手がやっているような“ノーステップ打法”はつっこみの早いB2タイプの選手には良い打法です。ボールを捕らえる位置、軸の取り方など、いかにもB2のための打ち方だといえるでしょう。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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