Column

グラブはどう使う?

2011.10.20

第12回 グラブはどう使う?2011年10月20日

 こんにちは。トレーナーの田口です。ほとんどの選手は、秋の大会が終わり、すでに来年の春に向けて動き出していることと思います。一日一日の練習で春に花開くかが決まってきますので精いっぱい頑張って取り組んで下さい。

 では、本日はタイトルにもある通り『グラブの使い方』について私なりの意見を述べさせていただきたいと思います。

グラブの使い方

【グラブの使い方】

 過去に皆さんはスローイング時にグラブの使い方についてどのような指導を受けてきたでしょうか?

 今まで私が指導者の方から聞いた話ですと大きく分けて3つのパターンがあります。

①リリースの瞬間にグラブを引く
②リリースの瞬間にグラブを胸の前に持ってくる
③リリースの瞬間に下に振り下ろす

この3つが指導者の方が選手に伝えていることが多いパターンです。(もちろんこれ以外にもありますが)

しかし、この3つの方法ですと身体の仕組みを使い切ることができないと私は考えています。

 まず①と②ですがこの2つはリリースの瞬間にグラブを『引く』動きになります。

第9回のコラム
でもお話ししましたが、グラブを『引く』動作ですと脊柱を中心に回転動作が生まれてしまいます。
右投げの場合、身体を真上から見た場合にリリースの瞬間は右手が反時計回り、左手も反時計回りになり、完全な脊柱を中心とした回転ができてしまいます。
次は③ですが、これも①と②に近くどちらかというと『引く』という動作に近くなります


動きの方向

【動きの方向は?】

 では、『引く』動きが、よくないのであればどうしたらいいのでしょうか?

 それは、リリースの瞬間にグラブを『前に出していく』ことです。
そうすることによって脊柱の回転が抑えられますし、肋骨の『たわみ』を上手に使えるので、肩甲骨、胸鎖関節がうまく使え肩・肘への負担が圧倒的に減ってきます。
(肋骨のたわみについての動作は言葉での表現が難しいのであえて詳しい説明は避けておきます)
そして左手が時計回り、右手が反時計回りで力が相殺されますので、コントロールが非常につけやすくなります。

 ここで重要なのが『動きの方向』です。動作を写真で見たのでは、身体が「どの位置」にあるかいう情報しか得られません。したがって、身体がどの方向に動いている(力が働いている)という情報は得られないのです。

 例えば、日本ハムのダルビッシュ投手などの動画を見ていただければわかると思いますがリリースの瞬間にグラブはかなり下の方にあり、且つ投げ終わった後は、セカンド方向に大きく引かれています。
しかし、動画をスローで見ると、投げる瞬間に一瞬ですがグラブが前に出されます。
この動きは、写真で見たのでは決してわかりません。写真では、動きの方向までは見えないのです。

 少し話はそれましたが、要するに投げる瞬間に少しだけ(もちろん大きくても構いませんが)グラブを前に出すことが重要なのです。グラブを『引く』動作は、私の見解としては最善ではないと思います。皆さんもグラブを『前に出す』感覚を掴んでみてください。

(文=田口 亮

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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