東海大甲府vs甲府工
神原(東海大甲府)
強力打線の起爆剤。攻撃的トップバッターの覚醒
急に過ごしやすい気候になり秋めいた風が心地よい甲府市の[stadium]小瀬球場[/stadium]。
準決勝の第二試合は東海大甲府高校と甲府工業という山梨県大会屈指の好カードとなった。
共に夏を二年生が多く活躍し最終学年への第一歩を順調に踏み出している。
前試合、甲府工は夏の王者の山梨学院大学附属を振り切って勝ち上がり、東海大甲府は吉田高校に序盤苦戦するも試合巧者ぶりを発揮し逃げ切った。
この試合に勝てば本県開催の関東大会への招待状を受け取ることができるとあって、気合と緊張感が入り混じった雰囲気の中、試合は始まった。
両チーム共にエースナンバーが先発。序盤は東海大甲府 神原、甲府工業 三浦の両右腕の投げ合いとなり、序盤はスコアボードには0の行進が続く。
東海大甲府は三回表以外は毎回のランナーが出塁し得点チャンスを演出するが一本が出ない。
対する甲府工業も二回、三回と得点圏にランナーを進めるが神原と東海大甲府の守りに阻まれ得点できない。
両投手ともあと一歩で140kmというスピードガン表示。120km弱の鋭いスライダーが武器なのもどこか似ている。ただ投手の球質は甲府工業 三浦投手の方がキレがあった様に見受けられた。しかし東海大甲府の打者の振りも鋭い。両校ともに譲らない展開で試合が進む
恐怖の一番打者
試合が動いたのは六回表。一死から4番渡辺選手の左中間二塁打と五番石井選手のセンター前ヒットで欲しかった先制点を奪取。その後、8番神原、9番相原の連続レフト前ヒットで3-0。一番松野君は左打席から引っ張った打球はライト頭上を超えるタイムリースリーベースとなり5-0。更に一点を加え6-0とビッグイニングとする。
流れを掴んだ東海大甲府は8回表、一死からエラーと送りバンドでニ死二塁としチャンスで迎えた1番松野君は左中間を破るタイムリー二塁打を放ち7-0。
この松野君、小柄ながら俊足好打のトップバッターとして充分に役割を果たしているが、ダイビングキャッチの好守で守備でもチームを盛り立てていた。初戦は三番に入っていたことから元々打力も秀でている選手なのだろう。
反撃したい甲府工業は八回裏に一死から三者連続ヒットで一死満塁のチャンスを作ったが得点することができずにゲームセット。
東海大甲府が甲府工を下し決勝へと進出。関東大会への出場も決めた。
次戦 優勝を掛けて甲府西高校と対戦する東海大甲府高校。
打線を引っ張るトップバッター 松野君や偉大な先輩 高橋周平選手の次代遊撃手で一年生四番 渡辺君など、本日覚醒した打線をもって山梨県一位として関東大会へ進出したいところ。
一方、敗れた甲府工業は三位決定戦で同じ公立校の富士河口湖高校と対戦する。
自県開催により三位まで出場できる関東大会の出場権を今日の悔しさを糧に是が非でも入手したいところ。
秋深まる山梨県。高校球児のあつい熱戦はまだ続く。
(撮影・文=木内 慎治)