南稜vs和光
武藤(南稜)
冬の成果 春の課題
埼玉の地区予選が始まった。
初回、南稜のエース武藤の立ち上がりを攻めた和光。先頭の水田が中前安打で出塁すると、積極的に走って3塁まで進んだ。これを3番高田の中前適時打で1
点を先制。また、この高田がワイルドピッチで2塁に進んだところで4番津田が左中間を破る適時3塁打を放ち2点目が入った。この後、エラーの間にさらに1点を追加。打者一巡で攻めた1回で、3点をリードした。
2回には3つの安打を集めて1点を追加するも、三振と盗塁の失敗2つで思うほどの追加点には至らなかった。
しかし南稜もこのままでは終わらない。死球やエラーが絡みながら2回、3回と2点ずつ追加して同点に追いつくと、4回には逆転に成功した。
さらに7回、この回先頭の5番玉森の本塁打と9番亀岡の適時3塁打で2点の駄目押し。終わった見れば8対5で南稜が和光を下した。
勝利した南稜のエース武藤は初回の立ち上がりを「緊張しました」とコメント。実はこれこそが遠山監督が気にしていたことだった。南稜は秋に怪我人が多くベストメンバーを組めないまま予選の初戦で敗退。春になりやっとベストメンバーで望める公式戦の初戦。力む場面や、欲張ってしまうことも想定済み。その上で「自分達の力で乗りきって欲しい」との思いもあり支持はあまり出さずに見守った。結果として中盤以降、武藤はカウントを悪くしていた変化球からストレートを多用。いつものピッチングではないながら立て直し、初戦をものにした。
自分達の力で勝ち取った逆転勝ち。南稜のチーム力をあげてくれる試合となった。
一方の和光の熊井監督は「ウチとしては珍しい立ち上がり」と1回の先制、2回の追加点を振り返った。昨夏のメンバーが残り、守備には自信がある和光。冬場はバッティングの強化を意識して練習してきた。これまでの練習試合でも打てるようになってきて、公式戦での13安打。試合には敗れたものの、冬の成果を実感できるものになった。
（文＝高校野球情報.com）
