捕球時の突き指の処置法を学ぼう!
捕球時の突き指について
捕球体勢と指の位置を意識することで突き指によるケガを予防したい
ノックなどで捕球体勢に入ったとき、イレギュラーバウンドして指を突いてしまいケガをしてしまうことがあります。投球側の手首がしっかりと立った(背屈)状態であったり、横から添える状態であれば、ある程度防ぐことも出来ますが、手首が打球に対して並行に近い状態になればなるほど、指先がボールにぶつかってしまうリスクは高くなります。また構える姿勢が高い(いわゆる腰が高い状態)と、目線も上方に上がってしまうため、イレギュラーなどへの対応が遅れて結果的に突き指してしまうことも考えられます。
「突き指」は野球選手にとって比較的よくあるケガではありますが、「突き指」といっても指を突いたという状態のことをさす言葉ですので、ケガの程度は軽いものから重度のものまでさまざま考えられます。爪から出血した、爪がはがれてしまったといった表面的なものだけではなく、内部では骨折を伴っていたり、関節を守るための靱帯を痛めてしまっていたりといったことが考えられますので、まずはアイシングなどの応急処置を行い、腫れの程度や痛みがひどい場合、指の変形、音を伴ったような激しい突き指が見られる場合はなるべく早く整形外科等を受診するようにしましょう。
突き指をした固定するときには、ボールペンや割り箸などある程度硬さがあるものを副木代わりにして一緒に固定します。こういったものがない場合は隣の指と一緒に二本まとめて固定すると良いでしょう。
コンディショニングやケガに関する情報は豊富な時代ですので、「突き指を引っ張って元に戻す」ことが正しいと考える選手や指導者の方はいらっしゃらないとは思いますが、指が腫れてしまっているからとか、何となく引っ張ったら良さそうかもと思って引っ張ることだけは避けましょう。突き指をした状態はすでに関節や靱帯、筋肉、腱、骨などへのダメージが少なからずある状態ですから、そこで患部を引っ張ってしまうとよりダメージが大きくなってしまいます。突き指をした場合は引っ張ったりせずにRICE処置を行い、状態をみて早めに医療機関を受診するようにしましょう。
文:西村 典子
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