36号&隣の神宮へ飛び込む特大ファールを放った怪物・清宮幸太郎(早実)が本格的始動!
清宮 幸太郎選手(早稲田実)
36号&隣の神宮へ飛び込む特大ファールを放った怪物・清宮幸太郎(早実)が本格的始動!
今年のセンバツは好試合が多く盛り上がったが、何か物足りなさがあった。それは、野球ファンでなくても引きつけるスターであり、役者であることを、早稲田実の怪物・清宮 幸太郎の、今年最初の公式戦で改めて感じた。
4月2日、[stadium]神宮第二球場[/stadium]での第1試合、早稲田実と都立町田の一戦。「久々の公式戦なので、そわそわした感じがありました」と清宮は言う。そわそわしたのは野球ファンも同じで、試合開始の1時間以上前には、切符売り場に長蛇の列ができた。
この試合は、一塁手でなく、4番中堅手での出場。「体は大きいけれどもボディバランスはいいし、肩も悪くない。慣れ親しんだファーストがいいのでしょうけど、チーム事情もあります」と和泉 実監督は語る。打撃のいい工藤 航輔を一塁手で使うという事情もある。
中堅手の守備について清宮は、「いろいろな球場でやっているので、距離感がつかめていないです。でも、これから[stadium]神宮第二[/stadium]での試合が続くので、距離感をつかめれば」と話す。
最初の守備機会は4回表一死一、二塁の場面で都立町田の7番・小松崎 拓真のセンター前の打球。清宮は突っ込んで取り損なったかに見えたが、素早く反応して、二塁から本塁を突く走者を刺した。
打撃の方は、一段とグレードアップしていた。
第1打席は左前安打で出塁し、第2打席は右飛に終わったが、見せ場は第3打席。強く振り抜いた打球は大ファール。何と隣接する[stadium]神宮球場[/stadium]のレフトスタンドに飛び込んだという。高校生でこうした打球は、記憶にない。そして7球目、高く上がった打球は、ライトの防御ネットを揺らす、高校通算36号となる大本塁打になった。
「ちょっとこすりましたが、打った瞬間入ると思いました。冬場しっかり振った成果が出ていると思います」と清宮。和泉監督は、「去年に比べて距離は出ています。狙って打っているというよりは、引きつけてコンパクトに打つことで、結果が出ていると思います」と、解説する。まさに役者の違いを見せつけた一発であった。
第4打席は満塁にも関わらず、ストライクが入らず押し出し。相手投手の暴投で本塁を踏むと、12対2の6回コールドが成立した。
相手投手とは力の差があるのは確かだが、ポイントのところでしっかり結果を出すのは、やはりスター性が感じられる。センバツは練習の合間に観ていたという。「負けてられないと思いました。甲子園に行くのと行かないのとでは、大違いですから」と清宮。2年生になった怪物の1年が本格的に始まった。