第56回 漫画家 寺嶋裕二先生2010年08月11日

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個性について

【インタビュー秘話02】沢村は気持ちで投げる分、気持ちがなえた時はそれが投球に出てくる。甲子園を意識し始め、どう変わっていくのか注目です。

――僕は実はコミック派で漫画を拝見しているのですが、もう21巻。それぞれのキャラクターの個性がかなり強いですよね。

寺嶋 役割があとから決まっていくというのもありますが、特に野球ってポジションと打順で名前以上にキャラクターが別れちゃうっていうか、3番ならこういう奴だなとか、みんなが持っているイメージがあり、勝手に作れちゃうんですね。だから逆に言うと3番なのにこんな奴か!と既存のイメージをうまく利用できる。ホントはこんな奴じゃないけど3番だからもうちょっと打たなきゃななんて、勝手に膨らんじゃうというか。

――つまりあとからキャラクターがついてくるんですね。
ダイヤのエースという漫画が浸透していると感じるのは、実際の球児が「俺はゾノタイプだから」とがスタンドで言っているんですね(笑)

寺嶋 それは嬉しいですね。でも、ホントはもっと描きたいんですけどね。部員全員とか。あんなチームで部員の数が多いと、単純に漫画として描ききれないから描いていないだけで、でも実際もっといるはずなんですよね。この間、モデルにしている埼玉栄に取材したときに、90人くらいいるんですね。練習風景が圧巻です。グラウンド3面全部使って。そのくらい使わないと無理です。あの人数は。あれ見ているとどんな気持ちでやっているんだと思いますよね。

――そうですね。

寺嶋 一年生とか、あと三年生とかこんなに部員がいてレギュラー取れなかったらどんなモチベーションで練習するんだろうとか。ちょっとでもそういう部分が描けたらなと思います。

 全ては無理でもちょっと触れておきたいんですよね。
ホントはもっとドロドロした気持ちもあると思うし、ゾノとか本音を言ったらもっと嫌な奴になっててもおかしくないですけど、でもそれでもやっぱ漫画だし、こうあって欲しいよなっていう。
沢村なんかは軽くいじめられてるかも知れない。(笑)

――そうかもしれない。ホント(笑)

最近の高校野球

寺嶋 ただ今いろんな取材に行っても、最近の野球部は上下関係とかうるさくないし、なんかいい感じでやっていますね。うらやましい環境で。

――そこはここ数年で変わってきているところで、毎年高校野球連盟が1年から3年までの部活を続ける継続率を発表しているですが、ここ10年で確実にも伸びているというのはあります。指導者の方の努力ですよね。いかにして指導者が3年やる意義で教えたり、そ教育的な部分に力を入れてきたり。

寺嶋 環境というのはよくなっていると思うんですけど、それでもやっぱり強いチームって空気が綺麗に張り詰めているんですよね。あれはどうやって作ってんのかなって。すごく厳しく怒っているわけではないのに、あれが出来ているということは何があるんだろうと、今の時代の野球を僕は体験していないんで、そこはちょっと気になっています。

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プロフィール

寺嶋裕二さん
  • 出身地:香川県
  • 出身校:善通寺一
  • ポジション:高三時はクリーンアップで活躍。
  • H11年読み切り野球漫画「メンバー」が第62回マガジン新人漫画賞にて佳作を受賞。
    マガシンFRESHに掲載されデビュー。
    H14年マガジンSPECIALにてテニス漫画「GIANT STEP」の連載を開始。
    H15年「橋の下のバットマン」とH17年「幻の甲子園」(野球ドキュメント漫画)の読み切り掲載を経て、H18年5月より野球漫画「ダイヤのA」を連載中。
    H19年「ダイヤのA」で第53回小学館漫画賞少年向け部門受賞。
    H22年「ダイヤのA」で第34回講談社漫画賞少年部門を受賞。
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