小園海斗(報徳学園) 「世界が認める高打率のショートストップへ」
9月3日、第28回WBSC U-18ベースボールワールドカップ3日目。キューバを7対2で破り、2勝1敗とした日本。その中で勢いに乗っているのは、2年生ショートの小園 海斗(報徳学園)である。12打数7安打、打率.583とハイアベレージを記録。2番に昇格したキューバ戦では5打数3安打2打点の活躍。カナダの舞台で躍動している。
ショートストップではトップクラスの打率を記録!
小園海斗(報徳学園)
内野手の華といえば、ショート。今大会は強豪国を見渡すとショートに逸材が多い。洗練された動きが光るアメリカのショート・TURANG Brice Craig、華麗なグラブ捌きとスピード感あふれるプレーで魅了する韓国のショート・ペ・ジファンなど高レベルなショートが多い。日本にはないフィジカルの強さを持った選手が多くいる。それでも日本のショート・小園は負けていない。打球が速くなるポートアーサーの芝の対応に苦しみながらも、軽快な守備を披露。「昨日、今日と雨でグラウンド状況が悪い中で、難しいところはありますが、しっかりと対応ができていると思います」と、ポートアーサーの環境に適応し、安定感ある守備で投手の信頼を掴んでいる。
打っても、右、左へ7安打。2年生ということを忘れてしまうぐらい存在感を示しており、小枝守監督も「国内合宿の時から、うまく味を出している」と表現した。
キューバ戦はしっかりと修正しての打席だった。第1打席、三振に終わり、第2打席に左前安打。本人は「三振した打席では、体が開いてしまったので、その反省を踏まえて、開きを抑えることを意識したことが良かったです」と語るが、その「開き」は何か。右肩の開きである。
小園は変化球を待ちきれず、ハーフスイングの空振りとなってしまったが、踏み出しに入り、右肩が開き気味となってしまった。すると、第2打席。外の変化球に対して、トップをしっかりと形成することを意識したことで、右肩の開きが抑えられ、変化球に対してインサイドアウト。6回裏も、左投手が投じた外角スライダーに対し、右肩の開きを抑え、手元まで呼び込んで、これもインサイドアウトでレフトへ流し返す左打者お手本のバッティング。そして8回裏のタイムリーも、チェンジアップを呼び込んでセンターへ流し返すバッティング。日本打線が課題としていた変化球の対応。それを2年生がしっかりとやってのける。小園は勝負強く結果を出す理由として、「もう気持ちですね。とにかく強い気持ちで向かいました。それがうまくいっていると思います」と語るが、こういうポジティブな心境が勝負強さを生んでいるのかもしれない。
12打数7安打、打率.583。打撃成績は今大会のショートストップでもトップクラス。小園は、同じ2年生で、中学時代、所属していた枚方ボーイズのチームメイトだった藤原 恭大(大阪桐蔭)とともに1,2番を打っていることに楽しさを感じている様子。
今大会は「まだまだ明日も連戦が続きますが、しっかりと準備をして。自分は2年生なので、世界一を狙うとともに来年へつなげる大会にしたい」と意気込む。チームに帰れば、小園抜きで地区予選を戦ったチームメイトとともに選抜を目指す立場となるのだ。
日本に小園海斗あり。さらに活躍を続け、世界に認められるショートストップとなって見せる。
(取材/文・河嶋 宗一)